hiyamizu's blog

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辻堂ゆめ『二重らせんのスイッチ』を読む

2022年12月23日 | 読書2

 

辻堂ゆめ著『二重らせんのスイッチ』(2022年4月20日祥伝社発行)を読んだ。

 

版元ドットコムの紹介

俺は犯人なのか――。
強盗殺人容疑で逮捕された、桐谷雅樹。
証拠は全て雅樹の犯行を示す!
最注目の著者が描く、"冤罪"ミステリー。

 

「桐谷雅樹。殺人の容疑で逮捕する。午前八時十一分」
2015年2月、桐谷雅樹の“日常”は脆くも崩れた。渋谷区松濤の高級住宅地で飲食店経営者が殺害され、現金およそ二千万円を奪われる事件が起きた。凶器が購入された量販店の防犯カメラに映っていたのは、まぎれもなく自分自身の姿。犯行現場から検出されたDNA型は雅樹のものと一致する。紙で切ったはずの手の傷跡、現場付近で寄せられた目撃証言……。すべては雅樹による犯行を示唆していた。やはり俺が犯人なのか――自らの記憶、精神をも疑いはじめた矢先、雅樹の不在証明が偶然にも立証される。しかし、待ち受けていたのはさらなる苦難だった。

 

ある日突然、雅樹は殺人容疑で逮捕された。疑いないような数々の証拠があがっていた。しかし、弁護士が事件当日同時刻、雅樹がカフェに居た防犯カメラの映像を入手した。

 

(タイトルと表紙から双子がいることは自明だし、p70で明らかになるので、以下、ネタバレを書いてしまう)

雅樹は双子の存在を疑い戸籍を調べ、「転籍」の文字から転籍前の本籍を調べ、弟・基樹が特別養子縁組でアメリカへ渡ったことを知る。

 

以下、雅樹がジェイク・モトキとフミヤ・ナガノによって自宅アパートに軟禁される話が、延々約150ページ続く。

 

 

桐谷雅樹:有名私立大出身のシステムエンジニア。両親は「桐谷進学塾」経営の徹と明子。

佐倉奈美:雅樹の恋人。大学院生。

後田(うしろだ)洋一郎:64歳。刺殺された。結婚詐欺などあこぎな手段で豪邸に住む。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

表紙のそっくりな二人の絵と、タイトルの二重らせん(DNA)から、冤罪の謎は双子がらみであることはバレバレ。

その後のアパートでの軟禁の話が長く、兄・雅樹が双子の弟・ジェイクときずなを感じ始め、さらにフミヤ・ナガノが悪役でジェイクがけっこう良い奴だと思うようになる過程の話が長すぎる。最後の最後への著者の誘導が見え見え。

 

ジェイクとフミヤの犯罪計画はあらっぽ過ぎ、無謀で、現実感が薄く、危機感が感じられない。

全体として、描写がくどく、テンポがない。その割に文章に膨らみがない。

 

酷評を並べたが、結局、それなりに最後まで読んでしまった。面白くないわけではない。

 

 

辻堂ゆめ(つじどう・ゆめ)の略歴と既読本リスト

 

 

コメント
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