今の今まで、姉の許、
こそこそ…と働いて、
今更、出来ぬとは…、
ふく「…出来ませぬ、それだけはお許しを、」
細い声で許しを請う。
私が許す事でも無い。
帰蝶「姉の代わりに褌は設えて、寧々の面倒は断ると?」
ふく「…」
弁解の余地無し。
黙ってしまった。
帰蝶「姉の命には従い、私の命は断る、という事だな?」
ふく「私には…、酷にございます」
寧々を見つめる、
その瞳が血走る。
帰蝶「酷?」
ふく「…欲しゅうなりまする故、」
寧々が視線に気が付いて、
にこりこちらを見て笑う。
寧々「七、なな、ななはね、叔母様がくれたの」
語りもしないお人形様に、
「ねぇ、なな」
同意を求め、
「うん」
と頷かせた。
帰蝶「なな…?」
ふく「私の、子にございます」
ぽそり…、私に真相を告げ、
ゆっくり、目を閉じ涙した。
帰蝶「…」
彼女には、子がいなかった。
こそこそ…と働いて、
今更、出来ぬとは…、
ふく「…出来ませぬ、それだけはお許しを、」
細い声で許しを請う。
私が許す事でも無い。
帰蝶「姉の代わりに褌は設えて、寧々の面倒は断ると?」
ふく「…」
弁解の余地無し。
黙ってしまった。
帰蝶「姉の命には従い、私の命は断る、という事だな?」
ふく「私には…、酷にございます」
寧々を見つめる、
その瞳が血走る。
帰蝶「酷?」
ふく「…欲しゅうなりまする故、」
寧々が視線に気が付いて、
にこりこちらを見て笑う。
寧々「七、なな、ななはね、叔母様がくれたの」
語りもしないお人形様に、
「ねぇ、なな」
同意を求め、
「うん」
と頷かせた。
帰蝶「なな…?」
ふく「私の、子にございます」
ぽそり…、私に真相を告げ、
ゆっくり、目を閉じ涙した。
帰蝶「…」
彼女には、子がいなかった。