ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~英才教育と、嗜み~

2013-03-24 | 散華の如く~天下出世の蝶~
ふくが寧々を養女に迎え入れるのは、まだ少し先の話で、
血縁とは不思議、この二人実の親子以上に深い仲となり、
しかし実母と不仲となり、生涯その溝は埋まらなかった。
ふく「力抜いて、踊る布を縫うて…」
ふわりふわり、布が宙を舞う。
舞っては刺し、舞っては刺し、
帰蝶「上手いものじゃな」
寧々「あのね、これも叔母様が、」
自分の着物をほれほれ、つんつん引っ張った。
子供は、大人の暗黙了解をペラペラしゃべる。
帰蝶「ほ…ぉ?」
寧々のべべを繁々見つめて、
「お寧々、回ってみせよ」
寧々「はい」
てててて、と回ってみせて、
正面、にこと笑顔を見せる。
ふく「…昔のを、縫い直しまして、」
帰蝶「よう似合うとる、ぴったりじゃ」
おいでおいでと寧々を呼び寄せ、
今度は近く、着物の身丈を見る。
身幅のだぶ付き、身丈のおはしょりもない。
袖丈も寧々に丁度良く、これら全て目測で?
通常なら抱いてみて、体で採寸するのだが?
寧々「昔からずっと、おべべは叔母様」
ふく「お寧々…」
あせあせ、それ以上言うては…、
寧々「母様、教えてくれませぬ」
ぶぅ…と頬を膨らませ、
「お縫い物より、お勉強と…」どうやら英才教育重視、
やれやれ…女子の嗜み手習い全て、妹ふく任せとは…。