ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~後の、茶聖人~

2013-03-25 | 散華の如く~天下出世の蝶~
確かに、上に意見を通す時、
帰蝶「読み書き(勉学)も大事。それは母に習え」
寧々「しかし、忙しい、忙しいと…」
ふく「お寧々。お母様はお城の仕事、大変大事」
寧々のおしゃべり。
姉の面目丸つぶれ、
妹が焦りに焦って、
恐る恐る私を見る。
帰蝶「お寧々は、よう見とる」
耳と、心が痛む話である。
さて、心を切り替えるに、
「一服と、しよう」
ふく「ならば私が…」
寧々の手を放し、立ち上がろうとするのを制し、
帰蝶「先達て、鉄砲商が美しい、茶葉を持って来た」
ふく「鉄砲商が、美しい…茶葉を?」
帰蝶「殿のお気にを、少々くすねて来る」
すくと立ち上がり、
「年の頃15、6…まだ若い、なれど奥深い。しばし待っておれ」
ふく「はぁ…」
親子もどきが同時、左に首を傾げる。
同じ時を過ごすと、似るのであろう。
夫婦似れば、背を見て育つ子も似る。
そしてここにも、母似の青年が居る。
帰蝶「與四郎殿、ここに居られるか?」武器庫を覗くと、
與四郎「はい、ここに、」進み出て、頭を下げる若き青年。
義母様の古くからの御親友、田中月様の四男坊。
母は商才に長け、その父與兵衛は堺一の武庫商。
夫婦二人三脚で商いを切り盛りするその息子は、
田中與四郎。後の茶聖人(政略家)千利休である。