心の痛み…感じねぇヤツ

“大丈夫。明日、また…”
「大丈夫なはずなかった…。大の男がゴロゴロいて、一つの命さえ、救えないなんて…」
池田「…」
話の内容から…どんな事件か容易く想像出来た。
「誰も、何も…出来るはず無いじゃないですか」
土岐「…なんて声を掛けていいかも分からなったんだ。斯波さんに対しても…」
池田「何も、死を選ばなくても…。斯波さんがいるのに、」
土岐「…だから、死を選んだんだ」
池田「ハッ」とした。
恋人に、
“一番、見られたくない。特に、身内には”
許嫁に、斯波さんがいたから、
死を選んだ？
土岐「そのアザで…思い出してしまったよ」
バキッ
斯波さんッ、止めろって、
なんで止める？
腐った人間殴ったって、痛いわけ…無いですよ。
“じゃ、どうしろって言うんだッ”
池田「ッ…」
先日起きた強姦事件は、
犯人逃走後、後日、捕獲逮捕。
事件は解決…で、一件落着？
許嫁を奪われ、しかも、それが、同じ人間の、
同じ男のバカの犯した罪だ。
その結果、
一人の無実の女性が死を選び、事件は終わり…でいいのか？
花嫁が、斯波さんの目の前から姿を消して、
土岐「…2年経ったが、斯波さんの傷は深まる一方…ただな、」
彼女が、死を選んで…、