ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

薬の成分

2011-12-21 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
酒宴の席、ふと見ると、池田「ちょっと…」立ち上がって、
与一「れ?」行ってしまった。りり…、銀が鳴って「かんざしの音色…誰?」振り返ったら、
愛「ほいッ、おめでとさん」と座って、酒を「飲んでよ」注いでくれた。
与一「あ、ありがと…ございます。その…、」
りん…、音色を響かせ、愛「与一が作ったんだって?」
与一「えぇ、そうですけど…」斯波さんが愛さんに「ふぅ…ん?」
愛「昨日は、ごめんね…」
与一「いえ…そんな事、全ッ然ッ」斯波さんのお説教で素直になった?「気にしてませんよ」
とっても気になる。斯波さんが説教ついでに、愛さんに??へぇ…「げッ!?」
愛「結婚かぁ。いいなぁ…」グビッと酒をいっぱい飲んで「ぷはぁ」空にした。
与一「そ、そんな一気に飲みじゃ」…ダメです「よ?」と、
愛「ほら、飲みなよッ」って、手酌酒ですか?
与一「ぺ、ペースを落として…」頂けませんか?とお願いしようとした「ら…」泥酔女が、
愛「斯波ーッ、酒、持ってこーいッ!」出来上がってしまった。や、やばいッ。
斯波「んだぁ?隆坊ッ、何杯飲ませたッ!」って、俺じゃないのにッ。
一方、宴の片隅に咲く一輪の花に歩み寄って、池田「失礼」と、彼女の隣に座った。
瑠璃姫「ふ…上手くやったわね」ウィンクした。
池田「これの、お蔭です」スッと論文を出した。
瑠璃姫「お役に立てて良かったわ」論文を受け取ろ…「と?」ひょい、と論文を避けて、
池田「お伺いしたい事があります」
瑠璃姫「何の聴取?」
池田「お父上様の事、です」
瑠璃姫「病が、突然治る訳が無い。気付いていたわ」
池田「まさか、蠱毒…で?」
瑠璃姫「蠱毒は10年前に匠君が作った。私の父は、15年も前の話よ」
池田「別の毒…?」
瑠璃姫「蠱毒は粉状、水に溶ける成分。でも、父への毒は…おそらく、液体か、油成分」
池田「仕込み針か、毒矢…」剣先に仕込ませるタイプの毒。
瑠璃姫「だったら即死。父は、食後変調を来たし、しばらく苦しんで…翌日、ケロッと狸の変わり身…ただ、今となっては、遺体も無い。証拠も上がらない。調べようがないわ」

庵原氏

2011-12-20 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
松殿「真剣に、結婚を考える年齢だ」
義経「普通に考えて、無職の野郎に女が付くか」
松殿「自分の事か?」
義経「ほっとけッ。それより…なぜ?」
松殿「辞めたいと申し出た。引き止める必要も、理由もない」
義経「必要な人材なら、引き止める」
松殿「巷に替えは溢れ、無駄な人材が吐き捨てるほど転がっている」
義経「だが、天帝の血に替えは無い。奴を見張りに置くつもりか?」
松殿「さぁ。子供の面倒見ていて」山吹をあやして「自分も世継ぎが欲しくなったんだろ」
義経「なら、途中で抜け出さない」
松殿「…それより、飲まんか?話が…っと!?」そこへ、
弁慶「代わりに、俺たちが、」と富樫「ヨッ」と酒を持って入り、
松殿「小枝御前…」
小枝「失礼仕ります」酒の肴を運んで来た。
義経「義母上様には、山吹の乳母を頼んだ」
松殿「乳母?私の見張りか…」
義経「アンタに、子守は出来ても子育ては務まらない」
小枝「このお役目、」松殿から、山吹ちゃんを取り上げて「然と、承りました」
義経「頼みます」
松殿「義経…」す…と杯を差し出し「親子で、飲まんか?」
義経「断る」クルッと、背を向けた。弁慶と富樫に「頼むぞ」と言い付けて、
松殿「なぜ、娘はさらわれた?」
義経「俺が、知るかッ」天守閣から出て、小枝「す…」頭を下げて、そそっと立ち…、
松殿「小枝御前、どういう事だ?」
小枝「陰陽師狩り、との事です」小さく言って、義経さんを追って、下の階に戻った。
松殿「な、何?」
弁慶「アンタの大切な陰陽師は、駿河で囚われの身だ」
松殿「駿河?庵原(いはら、葦原)…」高い軍事力を有する豪族で領地拡大を狙っている。京と駿河の中間地点 三河の宿場町は、そいつらの見張りに作られた「娘を、狩った!?」
富樫「庵原…?」

一緒に、生きましょう

2011-12-19 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
斎藤「そこの僕ちゃん、何とかしたら?」ピッと黒玉を投げて、部屋を出た。
能子「うッ!?」ツ…、胸に黒玉が当たって、コロコロ、床に転がった。
義隆「し…死ぬ…死んだ、母上…死んじゃった…あぁー」
能子「よ…義隆…」
義隆「うあぁ…死んじゃう」しがみ付いて、
能子「あ…」昔…の事を思い出した。私も、
“兄様ぁ、死なないでぇ!”
「大丈夫。私、こんな事で死なないわ」
義隆「う、うぇ…うえぇーん」
能子「ほら、」義隆を包み込んで、抱き締めて「私、生きてるわ」
こんな…義隆を見て、分かった。死を見るのは、自分の死よりも辛く悲しく、そして、怖い。
私は、その恐怖から逃れたいと、死を代わりたいと、救ってもらった命を投げ出そうとした。
生から逃れて、死を追い掛けた。苦しみ生きる事から、逃げた。
逃げたら治せない。兄貴も、与一さんも、あなたの傷も
分かってる。しっかり生きないと、この傷…治さないと、これからも死から目を背け、逃げて生きる事になってしまう。逃げてはいけない。自分に言い聞かせるように、義隆を抱いた。
両親の死に堪える子供が、私の目の前にいる。
新しい命を授かり、私と同じように生き残った美様がいる。
私に“幸せになれ”と、生かしてくれた兄がいる。
「心配してくれて、ありがと…義隆」
抱き締めた義隆が温かかった。これが、生という温もりなのだと思った。そして、
この温かさを、守る、そういう強さが欲しいと心の底から思った。
「皆の所に、一緒に…」床に転がる黒玉を拾って、ギュッ、と彼の手を握り「生きましょう」
…きぃ…と、紐を引っ張り、階段を降ろした。
わぁーい、と子供たちが一斉に出て、継たちが親元に返しに行って、
義経「おい…」周りを見渡し「ヤツはどこだ?」
松殿「ふ…」と、折り紙を見せた。
匠「辞表…?」を受け取り、裏返して「退職願…」を読み上げた。
[このたび、婚活上の都合で…云々…退職したく、ここにお願い申し上げます…斎藤 利祐]
義経「は?」

契り酒

2011-12-18 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
照「池田様…」
池田「私も、それがよろしいかと存じます」奥方様に頭を下げた。
斯波「よし、飲め」と、池田と土岐の同志の契りを見届けて「義隆。与一、連れて来い」
義隆「はい」兄ちゃんを連れ来て、
池田「兄弟の契りだ」与一に杯を持たせ、義隆に酒を注がせた。
与一「兄弟…」漆の杯に酒が煌いた。そこに、源平合戦で別れた平家の兄たちが映っているようで「く…」と一気飲み干し「可笑しなものですね」
はっきりしない現実に、新しい兄の池田さんがいた。
池田「本当に、な」と笑って、与一と同時に杯を空けた。
義隆「ち ぎ り…って?」
池田「契(ちぎり)とは、血よりも濃く深く、義理堅く結ばれん…そういう誓い、約束の酒だ」
義隆「約束…したくって、ねぇちゃん。飲んだの?」
池田「そうだ。夫婦、親子兄弟の契り…酒は、人と人との心を結ぶ」
義隆「結ぶ…」母上の御印 葵のハートとハートのさくらんぼ…「だから、」
池田「頑張って飲んだ彼女に、酒の代わりに水を運んでくれないか。そろそろ酔いが覚める」
義隆「はい」と教えられた部屋に行き、手が塞がっているから、行儀悪いけど「ヨッ」と、
ガラッ、足で戸を開け…「お、お前ッ!?」
斎藤「よっ、木曾の僕ちゃん」
義隆「ねぇちゃんから離れろッ!」
斎藤「こんな所に、姫様を一人寝かしちゃ…」
義隆「ねぇちゃんに何したッ!?」
能子「う…う、」苦しくて、目が覚め…た。けど、喉に…異物が詰まって「く、」苦し…い。
義隆「ねぇちゃんッ!」の傍に駆け寄って「水ッ!」を飲ませた。
斎藤「…」
能子「ごくッ」喉に引っ掛かっていたモノを水で流し込み「ケホッケホッ」咳き込んだ。
義隆「大丈夫?」背中をさすって、
斎藤「例の毒じゃネェな」
義隆「ど、どく…?どくって、」
斎藤「死ぬはずだった白雪姫も蘇っちまった。撤退だ、じゃな」立ち去ろうとしたから、
能子「待ちなさいッ!」

信頼を、この手に

2011-12-17 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
照「折角の、かんざしを…」頭を下げた。その拍子に、マリアの短い髪がその顔を隠した。
斯波「なぜ?」頭を下げる。俺たちが勝手に開いた宴に、髪を売ってまで「酒を…」
照「祝いの席に夫を手ぶらで行かす妻が居りましょうか?」
斯波「こりゃ参った…」額を、パシッ、打ち付けて「そこまで気が回らなかった、すまん…」
照「何をおっしゃいます。髪は、また伸びます」夫から、かんざしを受け取って「それまで楽しみが一つ増えました」水桔梗のかんざしを寝かせ…マリアは優しく微笑んだ。
斯波「しかし…」
照「妻が、夫に恥をかかせては、それこそ天下の笑い者」
斯波「見事な腹だ」身重のマリアは、肝っ玉で…「丈夫な子を産め」
照「はい、次こそは、男(おのこ)を授かりたいと念じております」
斯波「世継ぎか。なぁ、土岐」
土岐「はい…次こそは、男子を…」女の、妻の覚悟がここまで深いとは…、
“話が違う”
そんな照を、妻として間違いなかった、そう確信した瞬間だった。
私は人目憚らず、照を抱き締め、
「たとえ、天を取らんとて、側室は持たぬ」
生涯一人の妻として、照を愛し尽くすと…そう、ここで誓った。
斯波「これ以上やらネェ…よ!?」と、そこへ、
池田「はぁ、はぁ…」息を切らして、酒宴に着いた「斯波さん…この方…」
斯波「おせぇ。どこ行って…」
池田「土岐さんの奥方様、ですね?」
斯波「あ…あぁ、池田?」土岐さんと奥方様の傍に歩み寄って、
池田「失礼します」手に持つ紙の包みを、パラリ…と、広げて見せた。
照「あ!?」
池田「見事な御髪(みぐし)です」他人の付け髪になる直前の、白い紐で結わいた髪を見せた。
土岐「これ…」
池田「何も知らず、大切な奥方様の御髪を、」土岐さんに差し出し「申し訳ございません」
土岐「池田…」妻の髪を受け取り、彼の手ごと、ギュッと握り締めた。
池田「この御髪は、あなた様のものです」
土岐「我が家の家宝にするよ」黒髪のマリアが戻った「忝(かたじけな)い…」

女心と妻の髪

2011-12-16 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
能子「ん…」御方様の長い黒髪が、さら…と俺の腕に垂れて、
池田「女たちは、この黒髪を大切にしている、そうですよね?」眠る彼女に聞いた。
なのに…、売った?
借りている部屋に彼女を寝かせ、彼女の大切にしている髪…垂れる前髪をスッと横に分けた。
御方様の白いお顔に、ほんのりと紅い頬が覗いた。居た堪れなくなって、
「しばし、酔いから醒めないで下さい」と、彼女を一人部屋に残し、遊郭に走った。
髪を売り買いするのは、髪結い処。売られた髪は椿油で艶を戻し、形整え、付け髪(カツラ)にする。美しい女の黒髪は死人のそれであっても高値が付き、貴族階級、遊女らに売られる。
壇ノ浦でも、そうだった。熊出で鷲摑みされた髪は、心と共に女たちから切り裂かれた。
どんなに辛かったか…。そして、御方様の黒髪を見て、どんなに安堵したか…。
遊郭で瑠璃姫と、松殿の張り込みをしていた時、確か、こっちに…「あった」
一方、祝言後の酒宴では、野郎どもが祝い酒を浴びるように飲んで、
斯波「おい、土岐ッ」に酒を注いで「これ、お前ン所からだってな」
酒田銘酒『三十六人衆』…これは奥州 藤原秀衡様の妹君が三十六騎の従臣従え、この山形 酒田を船出の町『東の堺、西の酒田』と盛り立てた事にあやかり作られた清酒で、
土岐「え…」こんな高価な酒を「照が?」訝しく思い、その姿を捜した。
妻は、頭巾を目深に被り、”黒髪のマリア”と称される、その髪を隠していた。
斯波「これ、」与一に作らせたかんざしを出して「かみさんに、やってくれ」
土岐「見事な…かんざしです」土岐代々の家紋、水桔梗が彩られ、
斯波「俺が作ったんじゃねぇぞ」土岐には、いつも面倒掛けてる。だから、礼のつもりだった。ただ、照れくさくて「与一が作ったんだ」フンッと不器用に渡した。
土岐「あ、ありがとうございます、喜びます」つい、嬉しくなって「照っ!」を呼び寄せた。「斯波さんからだ、付けてお見せしろ」強引に妻の頭巾を剥いだら「か、髪が…」
照「あ…」パラッと、短くなった髪が垂れた。
斯波「マ…」マリアの黒髪が…、
土岐「こ、れ…は…?」
照「その…出産を控えているので、邪魔になり…、」
土岐「何を言っているんだ?」あれほど大切にしていた黒髪…椿油を差し、かんざしを挿して艶やかに美しく保っていた。心優しく、美しい黒髪だと、東洋聖母マリアの黒髪と称された妻の髪を「まさか…売った?」と、酒田銘酒『三十六人衆』を見た。

女の命

2011-12-15 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
愛(めぐ)「だ、大丈夫!?」、斯波「おいッ!どうなんてんだ!」と、
義経「こいつ、飲みやがった…」駆け付けた。
斯波「あん?」
池田「体質的に飲めないのです」
義隆「ねぇちゃん、飲めないの?…だって、一緒に飲もって」
池田「…すみません」鹿嶋様から彼女を受け取って「裏で、休ませます」
義経「お…い…」池田を見送って「ヒロインが一抜けしてどうするんだ」
斯波「お前は飲めっか?」愛の頭を、クシャ、といじって、
愛「あ゛!」かんざしが、パラッ「もう…取れた」
斯波「飲めるなら来いッ」と酒宴に連行して「…と、どうした?」
土岐「いえ…」きょろ、きょろ…辺りを見渡して「照(あき)…妻の姿がなく、」
斯波「どっかの神さんに安産祈願でもしてんだろ。行くぞ」
土岐「はぁ…」だといいが、婚儀の席でも落ち着きが無く、妙な胸騒ぎがした。
御方様を抱いて、裏に回り、ドンッ、池田「…と」
照「すみませんッ」…ぶつかった拍子によろけて、被衣が、バサッ…落ちた。
池田「え…」
照「こ、この度はおめでとうございます」頭を下げ、サラッと短くなびく、艶やかな髪で顔を隠した「御方様、大事無いですか?」床に酒樽を置き、落ちた被衣を拾って目深に被った。
池田「こちらは何ともありません。あなたこそ…お腹に」
照「大事無く、安堵致しました」酒樽を、抱え直し、そそくさと、
池田「その髪、どうされました?」彼女は、その問いに黙っていた「まさか…」
照「すみません。失礼致しま…」立ち去ろうとして、
池田「待て」呼び止めた。
“髪って、女の命なの”
「髪を…なぜ?」という問いにも答えず、
照「失礼致します」顔を背け、
池田「どこで、御髪を下ろされましたか?」彼女の背に尋ねたが、頭を低く、体を小さく屈めて…宴に向かってしまわれた。
頭巾で髪を覆い隠し、そそ…と足早に立ち去った彼女…、
あの方、一体…誰だ?

日輪を再び、

2011-12-14 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
斯波「弟たちの契りだ」杯を口にする池田を顎で指して「よく見とけ。お前もだ、土岐」
土岐「同志…なら、めでたい」背を向けて、
義経「土岐さん」
土岐「席に戻ります」
斯波「ヤツなら、大丈夫だ」義経を小突いて「ちっとばかり頑固で真面目腐ってるけどな」
義経「あ…あぁ」三人の三々九度を見守り、舞台脇の弁慶と海尊に合図を出した「旗揚げだ」
二人が綱を引き、繭子が織った日の丸を少しずつ、少しずつ、天に昇った。
シルクの光沢が優しく煌き、波風立たぬ穏やかな水面(みなも)に日輪が浮び、軍神八幡の名を記した紅白幕、俺の源氏白旗と能子の平家紅旗が日の丸を守護した。
「日ノ本の頂に日の丸を、めでたい時には紅白を掲げろ。これが俺の、源氏棟梁 最後の命だ」

源氏の俺が、壇ノ浦に沈めてしまった平家の象徴 日輪を再び、この手で揚げさせた。
能子「日輪に、西洋の文字が…」
Pray For Japan
義経「能子、生き残ったなら幸せになれ。これは、兄からの命だ。与一、池田。面倒掛ける」
能子「兄様…」
義経「源氏と平家は、再び、一つになった。お前が、繋いだんだ」
能子「はい」
義経「その手(絆)、放すな」
能子「ありがとうございます」
与一「池田さん…」白くぼんやりとした能子さんと、輪郭を無くした日輪と紅白幕を見て、
「今度、勝負して下さい」
池田「種目は?」スッと立ち上がり、彼の前に進み出て、
与一「体術で、お願いします」す…と、手を出し、
池田「いいだろう」握手をした。
能子「…よ…かっ…た」少し、お酒が入ってしまい、
義隆「ねぇちゃんッ!?」
池田「!?」
パタ…、
鹿嶋「っと!」能子殿を受け止めて、
能子「……ん」気を失った。

歴史の流れ、大河は深い…

2011-12-14 | 日記
入学式の体育館、
「ねぇ、ママ。どうして、赤と白でいっぱいなの?」

それに、赤と白のお饅頭を買って、親戚に配って、
余ったお饅頭の白を頬張り「何で?」
…産まれた時も、紅白、配ったわよ。
「こうはく…?」
歌合戦では、赤組は女の子だけ、なのに、
「私、白組になっちゃった」運動会、頭に白い鉢巻をした。キュッと。
白い色は好き、だけど、赤組に好きな男の子がいた。
「敵になっちゃった…」
早く、運動会終わっちゃえ。好きな子の…敵、イヤだ。
あぁ、運動会なんて大嫌い。
「う゛」
お腹痛くなって、休んだ。仮病だ。
運動場の片隅で体育座り、
じ…と、好きな子の、その鉢巻の色を見ていた。
「ふ…」
私にも、そんな子どもらしい淡い初恋もあったな…と、現実に戻る。
すると、我が家の向かいで地鎮祭が始まった。
小学校の頃、田んぼの一軒だった我が家が住宅街の中に入り込んでしまった。
「いい声」
宮司さんの詔(みことのり)が聞こえる。
田んぼに家を建てるには、もう少し土を遊ばせね(休ませね)ばならんぞ…と、
余計な事を思いつつ、共に祈る。
何事も無く家が建ち、幸せな家庭が築かれん事を…、
鹿嶋神と雄山神の、大地を鎮める相撲の神々に祈る。
「発揮揚々(はっきょい)、残った残った」なんてね。
地鎮祭が終わり、天と(テント)が解体され、紅白幕がお目見え、
「で!?」
時代は変わったな。
紅白幕と並んで、掲げられた青白幕…

一体?いつ、どこの歴史から、この幕が誕生したのだろう。
歴史の流れ、大河の謎は深まる。
出来れば、もう少しだけ色を足して、全て統べる色 紫にしてもらいたいな。

ダブルで、めでテェだろ

2011-12-13 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
忍者屋敷から出て、能舞台を通り抜け、酒田(山形)八幡神社へ。
参列メンバーを紹介すると、藤原 花山院 兼雅と冷泉院、源 瑠璃、護衛官の佐藤 基治・乙和御前夫妻、義経側近の佐藤 継信・忠信と初音・楓夫妻、源 土岐 光衡・照夫妻と巴御前、小枝御前(義仲の母)、由利 維平(ゆり これひら)と葛葉夫妻、富樫秦家と繭子夫婦、鈴木 三郎重家(サブ)・亀井 六郎重清(ロク)と森乃・熊世夫妻、忍者屋敷の主 酒呑童子(八岐大蛇の子)、着付け担当 志津(御稲荷)さん、
匠「と…兄貴は?」
円仁(山寺住職)「お?」
「わしらを忘れるなぁー!」山伏山岳連合会即身成仏メンバーの弘法大師と義経の剣術の師 鞍馬(鬼一法眼・鞍馬寺の住職で陰陽師)、山伏開祖 役小角が鬼二匹とやって来て、
義経「おい、スパイ二人組(松尾芭蕉・河合曾良)はどうした?」
鞍馬「二、三日食わなくて何とか成る」
義経「誰がメシの心配したよ、と!?」
斯波「よッ、蝶々様の登場だぜ」ニュッと親指で差した。そこには、
義経「え?」婚礼の儀を鹿嶋庄之助(相撲の神)様が執り行っていた「これは…」
ざわ…、胸騒ぎがして、土岐「し、斯波さん」に歩み寄り「これ、一体…どういう事ですか?」
斯波「見ての通りだ」義隆が能子、すみかが与一、賀茂女が池田の杯に酒を注ぎ、
義経「与一と、池田?」三人で、三々九度?
斯波「ダブルで、めでテェだろ」
義経「池田…の、あの紋付は?」
斯波「俺ンだ」
義経「あれが、最上源氏 斯波の二引両(二匹龍)…」

斯波「当然、家臣だからな」
土岐「え?」
斯波「俺の下に就いた。これからは同志、紅白仲良くやろうぜ」
土岐「し、しかし、これでは…平家の、」
斯波「これは、能子の意志だ。源氏と、平家とを繋ぎてぇんだとよ」
義経「…」
斯波「妹の幸せが、兄貴の幸せだろ?」
義経「当然だ」