能子「…私を逃したら、あなたはどうなるのです?」料亭の裏門まで来て、尋ねた。
兼雅「余計な事だ」
能子「余計って、そんな…」
冷泉院「…」命に背けば…総潰し「ちょっとッ」呼び止めたけど、
兼雅「じゃ…」クルッと背を向け「なッ!?」
冷泉院「ッ!?どうして、ここに?」
斎藤「御方様を逃がすおつもりで?」
兼雅「人違い、だ」
斎藤「は?」
兼雅「御方様ではなかった。よって、返す」
斎藤「では、御方様の名を騙(かた)る不届き者を捕らえます」
能子「え…」スッと兼雅様が、冷泉院「あ、」私たちの前に立って、
兼雅「面倒を起こすな」盾になった。
斎藤「ご乱心をッ」と、危ない。また、鷹が威嚇して来た「この鷹、ガッ」と振り払って、
バサッと、火鷹を左腕に乗せて、匠「アンタ、動物に嫌われる性質(たち)だね」
能子「与一…」も一緒で、
与一「とりあえず…」
“…今まで、ありがと”は、無かった…良かった「中へ」
チラッと料亭の上、月見櫓から聞こえる、ぐぉー…という大きないびきを確認した。
よし、松殿はまだ寝てる。兼雅様から交渉開始、と。
匠「冷さんは、こちらへ」別室に案内して、与一「皆さんは、こちらです」
兼雅「…」と能子さん…そして、斎藤を料亭の客間『松月花』に誘い込み、
斎藤「やぁ。君は…」
土岐「昨夜はどうも、娘が喜んでいた」紙風船の礼を言った。
斎藤「いえ。ところで…こちらさんは?」男と、その横に座る女を見て、
土岐「守護代 斯波兼頼(かねより)様です」
スッと、斯波さんが立ち上がり、上座を花山院殿に明け渡し、花山院殿の正面に座し、
斯波「平清盛御息女 能子様を…」チッと目配せ「こちらで、保護させて頂いておりました」
兼雅「くっ」と、その女の顔見て笑って「ご苦労だったな」猿芝居に乗った。
斎藤「ッ」扇で隠されて顔がよく見えない「廊御方様は、こちらにおられますが?」
兼雅「余計な事だ」
能子「余計って、そんな…」
冷泉院「…」命に背けば…総潰し「ちょっとッ」呼び止めたけど、
兼雅「じゃ…」クルッと背を向け「なッ!?」
冷泉院「ッ!?どうして、ここに?」
斎藤「御方様を逃がすおつもりで?」
兼雅「人違い、だ」
斎藤「は?」
兼雅「御方様ではなかった。よって、返す」
斎藤「では、御方様の名を騙(かた)る不届き者を捕らえます」
能子「え…」スッと兼雅様が、冷泉院「あ、」私たちの前に立って、
兼雅「面倒を起こすな」盾になった。
斎藤「ご乱心をッ」と、危ない。また、鷹が威嚇して来た「この鷹、ガッ」と振り払って、
バサッと、火鷹を左腕に乗せて、匠「アンタ、動物に嫌われる性質(たち)だね」
能子「与一…」も一緒で、
与一「とりあえず…」
“…今まで、ありがと”は、無かった…良かった「中へ」
チラッと料亭の上、月見櫓から聞こえる、ぐぉー…という大きないびきを確認した。
よし、松殿はまだ寝てる。兼雅様から交渉開始、と。
匠「冷さんは、こちらへ」別室に案内して、与一「皆さんは、こちらです」
兼雅「…」と能子さん…そして、斎藤を料亭の客間『松月花』に誘い込み、
斎藤「やぁ。君は…」
土岐「昨夜はどうも、娘が喜んでいた」紙風船の礼を言った。
斎藤「いえ。ところで…こちらさんは?」男と、その横に座る女を見て、
土岐「守護代 斯波兼頼(かねより)様です」
スッと、斯波さんが立ち上がり、上座を花山院殿に明け渡し、花山院殿の正面に座し、
斯波「平清盛御息女 能子様を…」チッと目配せ「こちらで、保護させて頂いておりました」
兼雅「くっ」と、その女の顔見て笑って「ご苦労だったな」猿芝居に乗った。
斎藤「ッ」扇で隠されて顔がよく見えない「廊御方様は、こちらにおられますが?」