ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

幸せになってくれるのか?

2011-11-18 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
志津「ねぇ、」話に割って入り「懐剣が見当たらないんだけど…?」と、依頼人を見た。
斯波「あぁ、これな」
能子「それ…与一の、どうして、これを…」
斯波「ほいッ」と渡して、
志津「しっかっと脇に挟んできな」グッ、体と帯の間に“抜けないように”挟んでっと「これは、守るもん。抜くんじゃないよっ」と、ポンポンと帯を叩いて「これで、よし」
きれいに着付けられて、能子「私…戻らないと、兼雅様が…、」
斯波「ちょい…と、外してもらえっか?」
志津「ほいほい」シャシャッと片付けて「じゃ、後でね。花嫁さん♪」と部屋を出た。
能子「…説明して下さい」
斯波「源氏の、兄貴の落とし前(ケジメ)だ。お前は、平家として受ける義務がある」
能子「義務?」
斯波「それな、」与一の懐剣を顎で指して「花山院殿からだ」
能子「兼雅様が命令違反となります。それに、私…白無垢を着る…権利なんてありません」
斯波「どこに権利ブラブラ引っ下げて嫁ぐ嫁がいる?」
能子「私…私が宮中に戻れば、丸く治まる事です。こんな事されたら…兼雅様が、」
斯波「そろそろ、自分の道を歩め」
能子「私のせいで、私がいるから、みんな…不幸になる。もう…見ていられない」
斯波「誰が不幸になるって?なんで、そうやって一人背負い込む?なぜ、隆坊に相談しない?」
能子「これは、私の問題です」
斯波「では、離縁しろ」
能子「否めません」与一の懐剣を抜こうとして「くッ」抜けなくて「もうッ!志津さんッ」
しっかり帯に挟んであって「どうして、いつも」悔しいやら悲しいやら「上手く生かないの」
斯波「バカが、思い通りになる人生があるかッ」
能子「私と一緒にいたら、与一が不幸になる…」
斯波「花山院殿となら、幸せになってくれるのか?」
能子「そういう問題では…」
斯波「花山院殿は、あのねぇちゃんとの結婚を承諾した」
能子「え…」
斯波「もちろん、あのねぇちゃん、泣いて喜んでた(?)。それを、お前は、また裂くか?」