腰痛促進剤

促進剤を入れた途端、体に異変が起きた。
妊娠中、体重10増で持病の腰痛悪化、体を起こすのもやっとだった。
それが促進剤の影響なのか？さらに輪をかけて、腰に激痛が走った。
「ふぅー…、ふぅー…」
なんとか腹式呼吸で痛みを逃す。
妊娠後期に入り、毎日これで痛みからの解脱を試みた。
なんとか力を抜い…て゛ッ、
「大丈夫かッ！？」
うげッ、主人の荒っぽいマッサージが腰を揺らし、さらに激痛が走る。
吐き気まで催す。ビニール袋を枕元に置いて、吐き気と激痛に耐える。
妊婦当人は陣痛を堪えるのに必死なのだが、第三者の連中は全然痛くないから、
「お母さん、お願い。笑かさんといて…」
母がどんな面白い話したか？全く覚えていないが、
当事者妊婦のリラックスを計り、笑かしたそうだ。
LDR内のスタッフからも笑いが漏れ、私は…と、いうと腰の激痛に加え、腹がよじれるくらいの痛みと笑いを堪えるのに必死だった。
後に、私の出産に立ち会った助産師学生が、こういった。
「面白いお母さんですね」
ありがとう、でもね、
娘としては、Case By Caseで話題を考えてくれと思うものなのよ。
緊迫した出産の現場に、こんな大笑いが必要なのか？疑問が残る。
母よ、笑えない結果に終わったら、どう責任を取るつもりなのか？
まぁ、結果All Right。
腰はもちろん痛いが、腰痛を助長する主人の馬鹿力も痛い。
主人の手を振りほどくも、亭主の手を振りほどくとは何ごとぞ、と言わんばかりに、さらに力を入れる。
ぎゅぎゅぎゅッ、
力を抜く陣痛の現場で一番力が入っているのは、主人だけである。
見かねた義母様が主人を除けて、私の背中を優しく擦って下さる。
ありがとうございます、義母様。