ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~流れ者と、数寄者と~

2013-04-17 | 散華の如く~天下出世の蝶~
幼少期、殿も養母様に育てられていた…だから、
何となく、丸とご自分と重ねて観ているようで、
乳母「御労しぃやぁ、ぁあ…うぅ」
帰蝶「そなたが泣いてどうする?」
乳母「だど、も…ぉお…」
帰蝶「ほれ、」丸を抱っこ、
乳母を連れ…「殿もお休み下さいませ」
帰命丸「おやチュみくたチャイまチェ」
信長「お、」
殿は丸に短く答えて、
「濃よ、明日、業平を遣わすでな」
杜若を乳母に渡した。
帰蝶「…はぁ」
在原業平…一体どこの流れ者か?
信長「そなたの蒔いた種である、良きに計らえ」
帰命丸「よきに○※△*ッ」
まだ、計らえ、という言葉が、
上手く言えないようで、少し、
信長「く…」笑っておられた。
しかし、私は笑えない。
帰蝶「…お休みなさいませ」
再度礼をして、下がったが…、
“良きに計らえ”
殿の意を察すれば、
“分かっておろうな”
確認とその了承。結果次第では、
機嫌を損ないかねない。だから、
「気が重いわ…」
乳母「御方様の如き、杜若にございます」竹筒の火器を持ち上げ、
花に月光を照らし「花鳥風月…数寄(すき)者に悪人はおりませぬ」