ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~戦に、女が要る~

2013-04-08 | 散華の如く~天下出世の蝶~
「さて、お茶にするぞ」
お茶しながら、女たちの鬱屈を聞き、
その解決の為、直訴させ、道を開く。
この時代、家臣の妻が殿に意見するなど、
有り得ない。しかし、私は直訴に拘った。
女たちの生の声を殿に御心に響かせる事、
涙ながらに語る妻の苦労が、殿を動かす。
こいが直訴した、その夜…、
信長「濃、そなたの策か?」
帰蝶「はて、何の事にございましょう?」
信長「まぁ良い。しかし、面白い」
殿がくくくと含み笑い。
帰蝶「何が、そんなに面白いと?」
信長「見えぬモノが見える」
女子の視線を見る事など、無かった。
時に女らの意見発案を入れるべきと、
「濃よ、こいに褒美を取らせよ。何が良い?」
帰蝶「殿が用立てて下さったこい、侍女に留まらせるに惜しい」
信長「ふむ、で?」
帰蝶「局にしては頂けませんか?」
城内に局(つぼね)という部屋を与え、
住み込みで教育一手に引き受ける係。
私が指示を出し、彼女が下を動かす。
信長「やはり、そなたの策であったか」
帰蝶「さぁ?何の事にございましょう」
信長「まぁ良い。これより先の戦、女も入れるぞ」
帰蝶「は?」
信長「多岐に渡る意見が欲しい」
当たり前の戦をしておっては勝てぬという。
敵が思いも寄らぬ策…その為に女が要ると。