斬新な戦略戦術、新規用鉄砲隊の活躍で、
今川戦を境に殿の御名が一気に広まった。
血気盛んな若武者が殿の許に集い屈した。
私もその若武者と謁見する機会が増えた。
一人、また一人。しかし、下克上戦乱で、
腹に一物あり、あわよくばと考える者も、
キキキキッ
当然おって如かず。その見極めは難しい。
“逢うてみよ”
「嫌にございます」と断っても、
“茶室を使うよう…”
「私、若衆との蜜をお許しになる、と仰せで?」
そう浮心をほのめかすと、
“鬼が妻、喰われる身を案ずる”
私、是非が非でも逢いたいと申した姫の謁見は、
“ならん”
許されず。
あの五兵衛の一件から、出奔者、若者ら、
新参者の謁見を推し進めるようになった。
“そなた、よう心を引き出す”
腹の底にある白も黒も、
私の前では露わとなる。
“血は争えぬな、濃よ”
父道三は、先見の明があった。
「しかし、私は…」
ふく「お傍仕えておりましょうか?」
帰蝶「いや、それでは、亭主の妨げ」
ふくと離れ茶室に向かい、
「ここで待つように」
私一人で、茶室に入った。
今川戦を境に殿の御名が一気に広まった。
血気盛んな若武者が殿の許に集い屈した。
私もその若武者と謁見する機会が増えた。
一人、また一人。しかし、下克上戦乱で、
腹に一物あり、あわよくばと考える者も、
キキキキッ
当然おって如かず。その見極めは難しい。
“逢うてみよ”
「嫌にございます」と断っても、
“茶室を使うよう…”
「私、若衆との蜜をお許しになる、と仰せで?」
そう浮心をほのめかすと、
“鬼が妻、喰われる身を案ずる”
私、是非が非でも逢いたいと申した姫の謁見は、
“ならん”
許されず。
あの五兵衛の一件から、出奔者、若者ら、
新参者の謁見を推し進めるようになった。
“そなた、よう心を引き出す”
腹の底にある白も黒も、
私の前では露わとなる。
“血は争えぬな、濃よ”
父道三は、先見の明があった。
「しかし、私は…」
ふく「お傍仕えておりましょうか?」
帰蝶「いや、それでは、亭主の妨げ」
ふくと離れ茶室に向かい、
「ここで待つように」
私一人で、茶室に入った。