ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~密会~

2013-04-25 | 散華の如く~天下出世の蝶~
斬新な戦略戦術、新規用鉄砲隊の活躍で、
今川戦を境に殿の御名が一気に広まった。
血気盛んな若武者が殿の許に集い屈した。
私もその若武者と謁見する機会が増えた。
一人、また一人。しかし、下克上戦乱で、
腹に一物あり、あわよくばと考える者も、
キキキキッ
当然おって如かず。その見極めは難しい。
“逢うてみよ”
「嫌にございます」と断っても、
“茶室を使うよう…”
「私、若衆との蜜をお許しになる、と仰せで?」
そう浮心をほのめかすと、
“鬼が妻、喰われる身を案ずる”
私、是非が非でも逢いたいと申した姫の謁見は、
“ならん”
許されず。
あの五兵衛の一件から、出奔者、若者ら、
新参者の謁見を推し進めるようになった。
“そなた、よう心を引き出す”
腹の底にある白も黒も、
私の前では露わとなる。
“血は争えぬな、濃よ”
父道三は、先見の明があった。
「しかし、私は…」
ふく「お傍仕えておりましょうか?」
帰蝶「いや、それでは、亭主の妨げ」
ふくと離れ茶室に向かい、
「ここで待つように」
私一人で、茶室に入った。