奇跡への絆

図師ひろき

雑感267

2012年03月21日 23時04分00秒 | Weblog


 “朝三暮四”とは・・・

 “朝令暮改”とは・・・

 この2つの故事成語があてはまる出来事がありました。

 介護保険の介護報酬改定がそれです。

 この度、介護報酬が見直され、在宅サービスの充実や介護人材の確保などの基本方針のもと“24時間対応の訪問介護・看護の導入”や“老人保健施設の在宅復帰率を高める”などが改定項目として掲げられ、介護報酬全般で1.2%の引き上げになるようです。

 改定のたびに福祉の現場は、複雑な事務処理作業に追われ、1.2%の引き上げになるとはいえ、逆に今まで通りでは算定できなくなるサービスや今まで以上に職員を確保しなければならない等、経営面には必ずしもプラスにはならないという反面もあります。

 小手先ばかりの改定では、表向きには改善されたように見えても、結果的にはプラスマイナス0になってしまうばかりか、介護報酬を引き上げることは必然的に介護保険料を引き上げることになりますので、どう考えてもマイナス面の方が大きくなってしまいます。

 そもそも2000年に介護保険制度が導入された目的は、施設型福祉から在宅型福祉の転換を目指すものであったにもかかわらず、リハビリ中心であった老人保健施設はすっかり特別養護老人ホームと区別がつかなくなり、地域密着型サービスの地域間格差は日に日に大きくなっており、住み慣れた地域で、自宅で人生をまっとうしたい高齢者のニーズはすりかえられ、有料老人ホームが乱立する状況となっています。

 今頃になって、在宅サービスの充実や24時間対応サービス導入といわれても、どこまで実践されるのか、果たしてマンパワーの確保ができるのかは、全く説得力のない改定にしか、私は見えません。

 真の実りある改定、そして一貫性のある改定にならないのであれば、もう介護保険制度をぶっ壊さなければならいと考えています。

 


雑感266

2012年03月20日 23時41分43秒 | Weblog


 “健康診断を受診されていますか?”

 宮崎県は、受診が低迷しています。

 市町村が実施する特定検診などの受診促進に繋げるため、この度県は議員発議による

 「がん対策推進条例」

 の制定に取り組んでいます。

 この条例は、がんが県民の疾病による死亡の最大原因となっており、がんの予防及び早期発見の推進のため、がん対策を県民の方々と共に総合的に推進することを目的としています。

 具体的には、第3条に市町村は、がん予防及び早期発見に関する施策の推進に努めるものとし、市町村の役割を明確にしています。

 また第5条では、県民は生活習慣が健康に及ぼす影響などがんに関する正しい知識を持ち、市町村及び医療機関が実施するがん検診を積極的に受けることを求め、県民の方々の役割も明確にしています。

 県としては条例を制定することに留まらず、具体的に受診率向上につながる関連事業の展開にも前向きに取り組んでいきます。

 そのヒントとなる取り組みが、鹿児島県志布志市にありました。

 志布志市では、特定検診などの受診促進のため、受診率が50%を上回った自治会を対象とした報奨金制度を始めることとなりました。

 具体的には、受診率が50%以上の自治会に一律一人当たり1000円を支給。

 そして受診率に応じて、一人当たり200~400円を加算していくようです。

 住民の健康づくりを促進するだけではなく、自治会による地域活動の活性化にも役立つこのような取り組みを宮崎にも導入し、県がバックアップすることができれば、確実に受診率も上げることができるでしょう。

 今後も様々な角度から、受診率アップのための検証を続けていきます。

 


雑感265

2012年03月19日 23時45分39秒 | Weblog


 仙台の夜の街が、特需に沸いているようです。

 震災復興にあたる建設、建築業者をはじめ多くの方々が、昼間の疲れを癒すために、街に繰り出されているからでしょう。
 
 今、鹿児島も特需のようです。

 九州新幹線の全線開通により、大阪と鹿児島が最速3時間45分で結ばれたことが起因です。

 1日15往復で、沿線の福岡、熊本への旅行者も軒並み増加しているものの、鹿児島の勢いは群を抜いています。

 指宿の宿泊客は、前年比40%増で、JR指宿駅が拠点のタクシー運転手は、月収が3倍にもなっているとか・・・

 平日でも満室に近い状態が続く旅館では、接客係が全く足りず、例年の2倍にあたる34人を新規採用したうえに、人材派遣会社から30人も派遣を依頼するなど、南九州の新婚旅行ブーム以来の特需となっているようです。

 新婚旅行ブームの元祖は、なんといっても宮崎県です。

 が、本県は特需に沸いていません・・・

 九州新幹線全線開通後の鹿児島への観光客増は、十分予想されていたので、本県としても交通及び旅行会社と連携し、宮崎にも足をのばしてもらうための新路線や周遊商品の開発に取り組んできていますが、目覚しい効果をあげるには至っていません。

 新幹線開通と連動して再開発されていた、青島周辺の宿泊施設等の整備もいまだ光が見えない状態です・・・

 高速道路もつながっていない・・・ましてや新幹線がつながることは、いつになるか見通しすらたっていない本県は、それでも今後あらゆる角度から誘客策を打っていく必要があります。

 途方に暮れている場合ではありません。

 今、経済発展著しい東南アジアでは、家族・親族旅行を兼ねての「新婚旅行」ならぬ「結婚旅行」がブームになっています。

 日本の風光明媚な式場で結婚式をする方々が増加している流れをしっかり捉え、宮崎へ導くアプローチが今まさに必要です。

 オーシャンビューなどに囲まれる式場を備える本県は、他県に勝るとも劣らない材料はいくらでもあります。

 今後、県担当部局と東南アジアを結ぶ動きを続けていきます!


明日に向かって

2012年03月18日 23時42分42秒 | Weblog

 何社かの新聞に目を通し、情報収集に努めています。

 全国農業新聞もその1つです。

 最近はやはり東日本大震災からの復興とTPP関連の記事が中心となり、生産者の切実な現状が大きく取り上げられています。

 その中でも東北の方々が、苦境を乗り越えられ、農業経営継続と生活再建へ取り組まれている姿には頭が下がります。

 農地の11%が津波で冠水した宮城県では、除塩の作業が思うように進んでいません…

 行政による除塩作業ではなく、雨水が塩を流してくれることが頼りで、作付けをしてもどれ程の収穫が期待できるも分からないなか

「下を向いてばかりいられない。
上を向いて歩こう!」

 と大豆や綿花の栽培に乗り出された生産者が紹介されていました。

 大豆は通常の7割程度しか収穫できなかったものの、その方のもとには他の被災農家からの耕作依頼が増えており、経営面積は被災前の約1.5倍になっているとのこと。

 「地域の受け皿として、動ける人が動かなければという思いで、これまで以上に頑張りたい!」

 63歳男性は力強く語ってくれています。

 また原発事故警戒区域内に入っている福島県双葉町の生産者は、埼玉県加須市に集団移転され、それで営農を再開されています。

「苦労よりも大好きな農業ができることへの喜びの方が大きい!」

 62歳男性が熱く語ってくれています。

 被災された方の辛さや悲しみは、被災された方にしか分かりません。

 その辛さや悲しみから立ち上がる喜びも被災者の方々にしか分からないものがあると思いますが、その前向きな姿から多くの勇気と元気をもらいます。

 私も地域を動けるだけ動き、受け皿となり、苦労よりも大好きな仕事ができる幸せを噛み締めながら頑張ります!

夢丸

2012年03月17日 23時14分23秒 | Weblog


 日本一の生産量を誇る宮崎キンカンに新たな品種が登録されました。

 その名も「夢丸」

 いいネーミングですね!

 長年の研究過程を経て、県総合農業試験場の主任技師である佐野さんらを中心に開発されたもので、生産者の夢であった種なしキンカンの誕生です。

 佐野さんのお名前が、これまたいい!

 佐野“真実”さんといわれ、真に素晴らしい実を作っていただきました。

 

 新種キンカンの糖度は24.1度で、クエン酸含量は0.17%と酸味はほとんど感じないようです。

 佐野さんいわく

 「まるで甘露煮のような甘さですよ!」

 だそうです。

 実は今年のキンカン取引は、安値が続き、生産者にとっては厳しいシーズンとなりました。

 キンカンたまたま、そしてたまたまエクセレントが全国区となり、消費量は拡大しつつも、生産戸数も増え、他県との生産者ともしのぎを削りながら収益を伸ばし続けることは難しく、東日本大震災に影響も合間って、贈答品としての取り扱い伸びず、価格が不安定になっているようです。

 そこに夢丸が登場したのです!

 種がないことで、子どもや女性にも手軽に口にしていただけることになるでしょうし、何より他県産と比較して大きなアドバンテージとなることは間違いありません。

 夢丸の苗木が生産者に供給されるようになるには、まだ数年かかるようです。

 まずは流通している宮崎キンカンのさらなる消費拡大のためトップセールス精力的に展開しつつ、夢丸が市場に出回る際には、一気に宮崎キンカンここにあり!を国内外に発信できるよう生産者と行政関係者との連携を働きかけていきます!

 


雑感264

2012年03月16日 23時31分27秒 | Weblog


 本県に関する残念な数字が発表されました・・・


 “人工死産率ワースト1位”

 人工死産とは、妊娠22週未満の人工中絶のうち、妊娠12週以降に人工的な処置で死産に至らせることで、胎児の死産届や埋葬の手続きが必要となります。


 女性の心身への影響も大きく、その後のパートナーとの関係や再びの妊娠に支障をきたすケースも少なくないようです。


 2010年の人工死産件数は、214県で、出産と死産を合わせた出産1000例あたりの人口死産率は、「20.3」となっており、全国平均の「13.0」を大きく上回っています。


 人工死産理由としては


 「妊娠しないと思い、避妊しなかった」


 が、全体の約4割を占め、12週以降の中絶になった理由は


 「パートナーとの話し合いが長引いた」や「手術費用の工面に時間がかかった」


 などが続きます。


 県健康増進課では、学校での性教育の徹底や啓発用パンフレット作成などの事業を展開しているものの、効果が上げっていない状況です。 


 先日、友人が


 「嫁が妊娠していたけど、流産してしまった・・・もう3度目やから次は難しいかも・・・」


 とても悲しげな目で語ってくれました。


 望んでも望んでも繋ぎとめられない命があり、その反面望まれない妊娠がある・・・なんとも理不尽なことです・・・


 せめて望まれない妊娠は、適切な避妊をして減少させなければなりません。



雑感263

2012年03月15日 23時35分17秒 | Weblog


 毎日様々な郵送物が届きますが、その半数以上は公務や政務に関する伝達文書で、1つ1つを開封した上で、手帳に書き写していきます。


 常々


 “紙がもったいないなぁ”
 
 と思っています。


 登庁した際にも、机の上に積み上げられている書類を整理する時にも、一度目を通したものは、ほとんどがリサイクルボックスへ・・・


 以前、一般質問で“電子県庁”推進を訴えたことがあります。


 国も年次的に、公文書送付や保管及び業務伝達における電子化を進めていることもあり、業務の効率化や環境に優しいペーパーレス化にも繋がる公の電子化は有益と考えますが、宮崎は他県に遅れをとっています・・・


 佐賀県では、議員への事務連絡の文書や資料の配布をiPadでのメール送信に一本化しました。


 佐賀県は、小中学校の授業でiPadを利用するなど情報端末の活用に積極的で、その便利さとリーズナブルさに着目した議会側から導入を提案したとのこと。


 この他にも、岡山市議会や千葉県流山市などでも、タブレット型の多機能情報端末などを利用をし、経費削減の効果をあげている自治体もあります。


 ただ佐賀県においては、本会議場や委員会へのiPad持ち込みは


 「審議に集中できなくなる」


 との理由から禁止になっているようです。


 また公務と個人使用との区別がつきにくいといった声もあり、議場のIT化が進むかは不透明なところもあります。


 環境対策や費用対効果の観点から、再度電子県庁化及び電子議会化がどれほど有益なのかを調査し、提案していきたいと思います。


雑感262

2012年03月14日 23時18分53秒 | Weblog


 共感できるエッセイに出会いました。


 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者を務められるなど、世界的な活躍を続けられている佐渡裕さんが、若者や東日本大震災被災者に向けたメッセージでありました・・・


 佐渡さんは


 「子どもと大人の社会は常に鏡で映し合っている。


 子どもが夢をもてないのは、大人の社会がそうだからだ。


 ドアを開けてみようという勇気を持たないといけない。


 人生に自動ドアなんてないから。」


 ヨーロッパのオーケストラや音楽祭の指揮をとることに挑戦されている実践者の言葉には揺るぎない説得力があります。


 また佐渡さんは


 「震災後、シャベルを持って駆けつけたほうがいいんじゃないかと考えた・・・時間が経って、人の心が折れそうなときに音楽やスポーツは必要とされるはず・・・“頑張って”というメッセージを送ることもできる。」


 「今こそ芸術家も政治家も教育者も頭の中に、50年後の具体的なイメージを持って向かわなければならない。」


 私は震災後、東北の友人と連絡を取り合い、ボランティアに入るための調整をお願いしたことがあります。


 その時、友人から


 「お前の仕事は、宮崎を復興させることだろうが!


 こっちは俺たちが頑張るから、まず宮崎を元気にして、パワーを送ってくれ!」


 電話口で怒鳴られてことを胸に刻み、活動を続けています。 


 宮崎を元気にするには、前例なく政策に取り組み、次世代のための宮崎を創造していかなければなりません。


 そのことが東北に勇気を届けることに繋がると信じて、これからもドアを開け続けていきます!


 


雑感261

2012年03月13日 23時40分02秒 | Weblog


 「宮・宮レシピ」が出版されました。


 これは、宮城県と宮崎県の食材を使った料理を紹介する本で、キッチン用品などの輸入代理店が企画・編集したものです。


 売り上げの一部は、宮城県の義援金として復興に役立てられるそうです。



 レシピを考案したのは、野菜ソムリエの資格を持つ両県16人の方々で、サツマイモ、曲がりねぎ、ちぢみホウレンソウ、ピーマン、日向夏などを利用した料理が30品紹介されていて、編集した会社が輸入している蒸し料理を作る調理器具の使用方法も合わせて紹介されているとのこと。 


 私は大学時代の4年間を宮城県仙台市で過ごし、東北の農産物をたらふく食べてきました。


 さすがに貧乏学生でしたので、前沢牛や仙台名物牛タンなどは食べたことはほとんどありませんでした・・・


 今も忘れることができないのは、東北の米を使用したコンビニ弁当が極上に美味しかったことです。


 はじめて食べたときには、あまりのモチモチ感に


 “東北はコンビニ弁当に、もち米を使ってるんだ”

 と素直に勘違いしたものです。


 ある時、コンビニでカツ丼を買って、家で食べようをしたところ、カツが変な味がしました・・・そのまま捨てるのももったいないし、何より米がうまいからと、ガツガツとかきこみました。


 案の定、食あたりとなり、2~3日は大変な思いをしました。


 あれからもう20年以上が過ぎました・・・今、うちにも蒸し料理を作るためのスチームケースがあります。


 残念ながらそのスチームケースを使った料理が出てきたことはありませんが、宮・宮レシピをさりげなく食卓の上にでも置いとこうかなぁと思っています。




言葉だけではない“絆”

2012年03月12日 23時18分56秒 | Weblog


 2253万トン・・・

 福島、宮城、岩手3県で積み上げられたままのがれきの総量です。

 1年が過ぎた今でも、最終処分されたがれきは全体の6%にすぎません。

 

 数字が大きすぎて、その膨大さが身近に感じにくいと思いますが、宮城県石巻市だけでも、市が自力で処分できる106年分のがれきが残されていることを考えると、いかに残酷な状況が放置されていることが理解できます。

 
 今朝、電話が鳴りました・・・

 「なんで宮崎は、がれきの受け入れを真っ先にせんとか!

 口蹄疫のとき、あんげ世話になったのに、“絆”は言うちょるばっかりじゃダメど!」

 地元の畜産農家の方からでした。

 先日は、医療関係者の方からも、また別の日には高校の同級生からも同様の声が寄せられました。

 またある方は

 「がれき受け入れに予算が足りんなら、こんなときこそ県債を起こしてでも対応すべきだ!」

 と具体的な示唆をいただきました。

 現在議会においても、その対応について日々協議が行われています。

 

 今のところ執行部の姿勢は、後ろ向きではないものの、国の動向を注視すると共に、県の産業、特に農産物流通にどのような影響を及ぼす可能性があるのかについて懸念を強く抱いており、関係団体からの情報収集に奔走している状態です。

 私が地域を回り、住民の方々と話をさせていただくと、意見は2つに分かれています。

 それはがれき受け入れに、賛成と反対とに分かれるのではなく、賛成の方と同じくらい“分からない”もしくは“受け入れることで自分たちの暮らしがどうなるのか分からない”といった意見があります。

 確かにがれき受け入れに関して、今のところ国の方針や安全性実証実験結果が公表されていないため、県単独で受け入れを進めていくにはリスクをともないます。

 予算面はもちろんですが、受け入れ施設及び輸送業者の選定、受け入れる量と期間、そして何より県民への周知と受け入れ周辺住民への詳細な説明などをまず行う必要があります。

 これは宮崎県だけなく、全国の自治体が目を逸らすことなく向き合わなければならない課題です。

 先日も農業大学校の生徒が教えてくれました・・・

 「被災したのは東北ではなく、日本なんです、地球なんです!」

  私は、がれきの受け入れに賛成です。

 県に臨時的に、担当部署を立ち上げててでも、速やかに対応し、県民の方々に理解を求めていくべきだと考えます。

 “絆”を言葉だけのものにしないためにも、執行部との真剣協議を進めていきます。