奇跡への絆

図師ひろき

雑感27

2009年08月01日 22時49分00秒 | Weblog

 久しぶりに親父と昼飯を食べました。

 親父がなすの油炒めを作ってくれました。

 親父との昼飯には、思い出があります。

 10年ほど前、私は古賀総合病院に医療ソーシャルワーカーとして勤務していました。

 そこで住む場所によって医療や福祉に格差があることに大きな矛盾を感じ、この格差を無くし、福祉を充実させ、ふるさとに貢献したいと思っていました。

 福祉を充実させるには、政治を変えなくてはいけないと決心し、立候補を決意したのですが、家族や地域の方々から支援を受けられる保障はどこにもありませんでした。

 同じ地区からはすでに4期されているベテラン議員がいて、地盤は盤石で、当時28歳の私が入り込む余地は全くない状況でした。

 そんな中、日曜日の昼飯を食べる時に、思い切って親父に思いのたけを熱く熱くぶつけてみました。

 「なに言いよっとか!選挙はお前みたいなわけもんがでるような、あまっちょろいもんじゃねぇ!やめちょけ!」

 と一喝される・・・と思っていたのですが、親父は何も言わず黙々と飯を食っていました。

 飯を食い終え、茶わんを流しに持って行き、振り返った親父がチラリと私と目を合わせました・・・

 “さぁ!かかってこい!”

 と私は身構えました。

 が、親父は無言のまま台所を出て行ってしまいました。

 その時、私は親父の背中に言葉を見ました。

 “賛成も反対もしてくれなかった。でも駄目なら駄目とはっきり言う親父が無言であったということは、「行け!」と言うことだ!”

 そう確信した私は、それから地区を一軒一軒回り、政治や福祉に懸ける思いを話し、支援を訴えていきました。

 すると実績もない私でしたが、地区や友人が大きなうねりを創っていただき、最高の結果で当選させてもらいました。

 そして私以上に頭を下げ、矢面に立って守ってくれたのが、親父でした。

 選挙期間中に、いい加減な言動で事務所内の雰囲気を乱す叔父に対し

 「お前は今が、どんな時期か分かっちょっとか!」

 と殴りかかっていってくれたのも親父でした。

 今思い出すだけでも、涙がこみ上げてきます。

 
 親父のなすの油炒めを味わいながら、心の底から親孝行をしたいと思いました。

 思うだけでは駄目ですね。

 親孝行します。

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