奇跡への絆

図師ひろき

日本一という門出

2014年10月25日 23時16分07秒 | Weblog

 あっけなく今シーズンの巨人が終わりました・・・

 まさかクライマックスシリーズの連敗で散るとは思っていませんでしたが、チーム打率や防御率の数字だけを見てみると、確かに突出しているものはなく、ペナントレースを勝ち抜くことができたのは、チーム力と監督の采配が他チームより抜け出ていたからかもしれません・・・

 その巨人の敗戦よりも驚かされたのは、クライマックスシリーズ前にソフトバンクの秋山監督が辞任を発表したことでした。

 その他にも今季は、昨年日本一の楽天・星野監督、チームを2年連続でクライマックスシリーズに導いた広島・野村監督も電撃辞任されましたし、最下位に低迷したヤクルト・小川監督、シーズン途中に辞任した西武・伊原監督を含め、5球団で監督の退任が発表されました。

 秋山監督の場合はチームが大型補強をして臨んだシーズンで、独走も予想されていただけにリーグ優勝はしたものの、終盤オリックスと激戦を続け、重圧は相当なものだったのかもしれません。

 普段はポーカーフェイスで感情を表に出さない秋山監督がリーグ優勝をした際に流されていたの涙も印象的でした。

 うれし涙で笑顔をくしゃくしゃにされていたのではなく、まるでいじめにあった小学生がとぼとぼと力なく歩きながら泣いている姿が、その翌日の辞任会見で淡々と語られる映像とダブったことが思い出されます。

 あの泣き方は、病んでいる人の姿かもしれないとさえ思えます・・・

 後で聞いたことですが、ペナントレース後半、先に辞任表明をしていた星野監督に秋山監督が花束を渡すセレモニーがあった際、心無い観客から

 「秋山!お前の方が辞めてしまえ!」

 というヤジが浴びせられていたようです。

 くだらない観客の声ではありますが、グラウンドで心身を削りながら闘う孤高の指揮官にとっては、突き刺さる言葉だったのかもしれません・・・

 日本シリーズの結果は誰にも分かりませんが、勝敗にかかわらず闘いの後に秋山監督が大きな重圧から解放されることは間違いありません。

 いつか、心のエネルギーが満たされ、秋山監督が再びユニホームを着ることがあるとするならば、日本一という思い出が門出になってくれた時なのかもしれません・・・

 頑張れ、ソフトバンク!秋山監督のためにも!