奇跡への絆

図師ひろき

雑感766

2014年08月28日 23時18分09秒 | Weblog
 全国のアルコール依存症者が100万人を超えたというニュースを見ました。

 その中でも、女性の依存者がここ数年で約2倍にもなっているとのこと…

 何故、過度にアルコールに頼ってしまうのか…

 その理由は様々ですが、ストレスが一番の原因のようです。

 近年は、女性の社会進出により社会的地位が依然より向上していると共に、プレッシャーや緊張場面も度重なっており、逃避行為としての飲酒量も増えているという解説がありました。

 また、出産や育児による心身のストレスから飲酒量が増えるケースもあるようです。

 ある医師は、一度アルコール依存症になると完治は無理で、断酒期間をつくる以外しかないと悲観的なコメントを寄せていましたが、私は医療現場でアルコール依存状態から見事に社会復帰を果たされた方々に寄り添ってきました。

 しかし、その道のりは容易いものではありません…

 繰り返してしまう方も少なくはないからです…

 本人の強い意志が求められることはもちろんですが、依存症からの脱出は、家族と医療機関の密接な連携が必要です。

 そして行政が、予防から退院後の生活支援まで積極的に働きかけていくことにより、依存症減少に繋がることは言うまでもありません。

 しかし、本県におけるアルコール依存者への対応は、必ずしも積極的とは言い難い状況にあります。

 本県に限らずでしょうが、個人情報保護の人権侵害の観点から、行政及び警察の現場対応がどうしても後手後手にまわってしまうことも少なくありません。

 例えば、アルコール依存者が家庭で飲酒し、暴れるようなことがあったとしても、即病院が動くことはできず、家族対応が原則で、なんらかの事故が起こってからでないと警察も介入できないのが現状です。

 現在は、アルコール依存に効果的な薬の開発も進み、ある程度のコントロールはできるようになったとはいえ、依存者が減少するには至っていません…

 本人もストレスを抱え、逃げ場を求めてアルコールに手を出してしまう辛さがあり、それに家庭を巻き込みながら社会生活が壊れていってしまうことを、できるだけ早い段階で立て直していくためにも、今までにないアルコール依存支援策が必要となっています。

 まずは予防、特に女性依存者を増やさないための対策を講じる必要がありますし、自助グループへもより積極的に行政からアプローチしたり、緊急時対応のための医療機関との新たな枠組みを創設するなどの取り組みが必要と考えます。

 アルコール依存は、あなたの周りにも、そしてあなたの中にも顕在化してくる可能性もあります。

 予防に勝る薬はないことを再確認お願いします。