OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

シャルロット・ぺリアン自伝

2009年12月30日 | 文化・芸術
みすず書房刊『シャルロット・ぺリアン自伝』が翻訳者の北代美和子さんより送られてきたのは6月頃だったか。
2段組400頁を超えるが、ル・コルビジュとともに仕事をし、二十世紀の日本の建築家や工芸家と深く交流した女性建築家の自伝は、写真も興味深いものばかり。
北代さんとは、あるイベントのオープニングパーティで知り合い、その時、彼女が翻訳した文芸春秋刊『届かなかった手紙』を頂いたのがご縁。その本は多くの国で翻訳されたように、面白かった。というより、ナチスドイツ時代の興味深い生のレポートのようで引き込まれていった。
そんな北代さんの文章力も気になって、じっくり読んでいると、仕事が入って中断。せめて夏休みに読破、と伊豆に持ち込んだが、家族が邪魔だ! そんなざわざわ生活で今になっても読破できず。
でも見ているだけで写真は楽しいし、途中の興味ある部分を読んでも面白い。自分も気になる岡倉天心もでてくる。民芸の連中も。私の生まれる前のフランスもいい。
さっき、北代さんに6か月後のお礼状、いや詫び状を書いた。三蹟の一人、藤原佐理も詫び状が多かったという。これも書家への道程だー(は開き直りすぎだろ)。
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仕事納め

2009年12月30日 | 書道・筆文字
2009年をふりかえって、という原稿依頼があって今日校正を戻した。好きに書かせていただいたが、そこでは触れず、面白かった展覧会に、仲田光成と森田子龍という異色の顔合わせとなった展覧会がある。
世界に書を発信し、みずからも一線の前衛書家として活躍した森田子龍と伝統のかな世界で独自の世界を築いた仲田光成。このコラボは平成の大合併で、同じ市出身となってのことで、お二人とも健在なら、絶対今回のことはなかったろう。
仲田の空間を意識したかなの当時を思った。森田の、懸命に書が書であるための証しを残そうとした情熱みたいなものまで伝わってきた。評論家の田宮先生、麻生先生と、多少のオフレコ発言などを交えつつ、書のあり方など前向きに雑談を交わせて楽しい一時だったことが思い出される。
そして今日は頼まれていた印も完成。
これで無事、年が越せるか。
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