お寺さんぽ Ver.03

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帝釈天 (仏像・天部)

2009年11月29日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は「帝釈天」です。

名前はちらほら耳にするかもしれない「帝釈天」さま。
しかし、仏像で見かけること少ないというレア像であり、姿形も…失礼ながらあまりパッとしない(笑)ため、ほとんど印象にないんですねー。
実際に見たいのであれば、下記の確実にあるお寺とか、仏像展とかを狙って行くほうがオススメです。


さて、最高神「ブラフマー」という「梵天」と対になって表現されることの多い「帝釈天」さま。
もともとヴェーダ神話では天界の最高神。

神々の軍勢を率いて「阿修羅」と戦い、仏教に帰依させたという軍神なのでした。
黄金の戦車、あるいは像に騎乗して毒竜「ヴリトラ」と戦い、強力な「阿修羅」勢を退けたほか、下界に雨を降らせて大地を潤した神として描かれています。
正式名称は「シャクロー・デーバーナム・インドラ」、これを「釈迦提婆因陀羅(しゃかだいばいんだら)」と音訳。

こんなんが、なにゆえ「帝釈天」となったかと言うと…
帝釈、とは”水蒸気を含んだ青空”を意味とする「インドラ」
これを音写して「因陀羅(いんだら)」
その「因陀羅」を漢訳すると、「天主」、「帝」
さらに、有力・勇気を意味する梵語「シャカラ(シャクロー)」のまたまた音写が「釈迦羅(しゃから)」ということで、
「帝釈天」という訳。
経典には「天帝釈(てんたいしゃく)」、「釈提桓因(しゃくだいかんいん)」とも言われているそうですが…「天帝釈」って逆さにしただけじゃない。

インド神話のインドラ神が仏教に入ってきたことから三十三天尊(さんじゅうさんてんそん)と呼称され、三十三天の主となりました。
須弥山の山頂にある「忉利天善見城(とうりてんぜんけんじょう)」に住み、その支配者として君臨。
下には四天王が住む四天王天があり、彼らを使役しているんだって。
釈迦が悟りに至る前の修業時代からその擁護にあたった守護神とされており、単独よりも「梵天」と共に脇侍となっていることがほとんど。

日本には飛鳥時代頃に伝来。
インドにて密教化される以前・以後のどちらも入っており、前者は二臂の立像で菩薩っぽい雰囲気。
崖から身を投じた修行者が「帝釈天」となった姿なんだって。
(※本来は甲冑の上に法衣をまとうのが一般的)
宝冠をかぶっていることもあります。
密教化されたものは一面三目。
鎧をつけて右手に独鈷杯(とっこしょ)を持つ左手は拳状であるようです。

東大寺法華堂の像は天平時代で最古のもの。
当然国宝です。
こちらではゆったりとした服をまとっています

東寺講堂の像は平安時代の国宝で一木造り。
ここは単純に色々な像を見れるのでオススメ。
像に騎乗して右手は独鈷、左手は拳で半跏座となってます。

ほかには興福寺、唐招提寺、秋篠寺…って、奈良ばっかじゃない。
どうりであまり見かけない筈です。
(※ひでるさんの行動範囲は京都市内だった)

真言「おん、いんだらや、そわか」は戦闘神らしく、戦勝をもたらします。
日蓮宗では除災、厄除けなんだとか。

なお…「帝釈天」は酒色におぼれて生活が乱れたことがあるそうで、呪詛によって全身に千個もの女性器をつけられ、後に開眼してそれを目に転じさせたというトンデモなエピソードがあります。
「百目タイタン」よりも上なのですよ。
気色悪いですね。


[関連記事] 【天部、その他】
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※神様も生活を乱すんですね(笑)
 しかしエグい罰だなぁ。


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