お寺さんぽ Ver.03

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白衣観音 (仏像・観音)

2011年05月22日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は”マリア観音”なんて別名もある、宗派を越えてしまいそうな「白衣観音(びゃくえ・かんのん)」です。

なんとなくですが、けっこう見覚えあるのではないかなぁ。
例えば、群馬県高崎市にある大観音、通称「高崎観音」はこちらの「白衣観音」です。
大船駅から見える「大船観音寺」の観音様、京都の隠れスポット「霊山観音(↑上写真)」などもそうですね。
独特なお姿(↓後述します)で印象に残り易いというのもあるかと思いますが、石仏・ブロンズとかをちらほら見掛けているような気がします。

もともとの成立はインドから。
梵名は…本にあった「Pandara-vasini」のカナがなかったのでどう読むのかよく分かんないですが、ネット検索したところ「パーウヌヅラヴーシニー」な様子。
これが「白衣観自在母(びゃくえかん・じざいも)」、「白住処(びゃくじゅうしょ)」とも訳されています。

単独での信仰があったほか、人々を救済するため「観音菩薩」さまが三十三の姿に変えたという「三十三観音」のメンバーの一人。
そちらでは白い着衣をまとって、清楚な姿であらわされるため…”白衣観音”と呼ばれているそうです。
あるいは、「白」が菩提心を意味しているとか、常に白蓮華に座っているためとか言われていました。

図像では宝冠の上から最大の特徴である白衣をかぶることあります。
これがそのまま「マリア様」っぽく、”マリア観音”と呼ばれる要因となっています。
画像で描く場合、特にこちらの姿が好まれているんだとか。

「胎蔵界曼荼羅(たいぞうかい・まんだら)」では、蓮華部の西北隅(左上)に位置。
こちらの場合は、赤色の蓮華座で左手に蓮華、右手は与願印(よがんいん)がいちおうメジャーなお姿。
この場合、特に白衣は描かれていません。



※こちらも「白衣観音」さまです。


ほか、右手に如意宝珠を持つ、念珠(ねんじゅ:数珠)を持つ、左手に羂索(けんさく:縄のようなもの)を持つ…などお姿は様々にあり、一定ではないみたい。
要するに、何かとハッキリしてない方なんですねー。

この「白衣観音」さまは、
”念ずる者の一切の不吉事を、吉祥に転ずる”
というすさまじい効力があり、息災延命の修法などでは本尊にされるようです。




[関連記事] 【観音・菩薩などいろいろ】
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