故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

墨だし屋に、荷揚げ屋

2015-06-13 02:57:16 | プロジェクトエンジニアー

工事が始まって、1週間が過ぎました。

いろんなことがあるものです。
若い監督たちに混じって、現場を歩きまわっています。
決して邪魔にはならないのです。
おかげで、2Kg体重が減りました。
腰痛で跳べなかったのが、朝のラジオ体操でも跳べるようになりました。

「納まり」について相談を受けます。
物がきちんと入ることのように思いますが、どうも違うようです。
監督レベルの話になると、物事の決まりがつくことの方が多いようです。

レイアウトをしていても、機能だけでなく見た目も大事にします。
この美意識が、「納まり」のようにも感じます。

今日の主題は、「墨だし屋に、荷揚げ屋」です。
建築業界も数々の専門家の集まりで仕事が成り立ちます。
大工に始まり、金物屋に左官屋となります。
機械では、組み立て屋に、仕上げ屋となります。
最近では、さらに細分化しているようです。

墨だしばかりを請け負う集団がいるのです。
文字通り、現場に墨を打ち設計図面を具体的な仕上げ寸法に置き換える作業です。
実に手際よく床に墨を出していきます。天井に穴位置の印を打ちます。
コア屋(アンカー穴を開ける)が、印通りに所定の深さの穴を開けます。
それに内装屋が吊りボルトをいけて(取り付けて)いきます。

そのボルトにボードを取り付けて壁や天井に仕上げるのです。
ここで登場するのが「荷揚げ屋」です。
内装材の軽量鉄骨とボードを運ぶ専門業者です。
そのエリアで必要な数量の内装材を、取り出しやすく
きちんと並べて揃えて準備するのです。
ボードは衝撃に弱いので、きれいに端を揃えて重ねます。手際が良いのです。

型枠大工が仕上げた型枠に、生コン屋が流し、つつきます。
その上に計量鉄骨が組まれ、壁になります。

果たしてこれで良いのでしょうか。

解体専門業者に、鍛冶屋がいます。
これらの専門業者の納まりを監督が指示していきます。
設計で気付かなかった「小さな変更」が起きるのです。

これらの仕事を把握して、指示するまでに相当な年数が必要です。
現場にいて歩きまわっていると見えてくるのです。
業者の方には、高齢者もいます。ヘルメットを取ったらわかります。

工程に従って、段取りができるまで何年かかるのでしょう。
建築現場の若い人が覚えることは山のようにあります。
そしてさらに細分化されているのです。
監督が動くと業者がついて動くのです。
良い業者は、監督のリストに加わっていきます。
現場で友達(組み)ができるわけです。
監督と業者は、仕事の手順や納まりについて楽しく話しています。
厳しい現場ですが、プロの集団は自分の役割が分かっていて
実に機能的に絡み合っています。そしてお互いの仕事を尊敬しています。
応えるかのように、こなします。

若い監督は、現場で揉まれるのです。
若くなくても、監督は常に回っています。
昨今は、朝昼晩の工程会議でしか仕事を把握しない監督が増えてきました。
現場に出ないのです。会議ばかりで仕事が進まないのです。

若い人が、優れた監督になっていく過程が見えました。
また勉強させていただいている毎日です。

始めよう 60の手習い 遅くない

2015年6月13日
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