絵のタイトルは、「想いの丈」です。
若い彼女が何を想っているのか、想像するのが楽しい。
こうかなああかなと、絵にするのがさらに楽しい。
今日のタイトルは、「時間と贅沢」です。
3時に目が覚めてしまう。
テレビを観ていると、身体が動くようになる。
朝餉を作り始める。
妻が整理してくれたので、野菜室の中身が判別できるようになっている。
ある野菜で、副菜の3品と味噌汁を一時間かけて作る。
妻が畳んでくれた洗濯物を所定の場所に納める。
まだ6時にはならない。
私はこうした時間の使い方をしなかった。
吊るし干しの中から着れるシャツを着た。
短い時間で遊んだ。
早飯で、走って移動した。
まとめて、洗濯した。
安いものを買いあさった。
効率に追われていた。
時短こそすべてと思い込んでいた。
休日には、寝てばかりいた。
そんなことはなかった。
何回も洗濯することで、干す場所は少なくて済む。
乾いたものが、いつもの場所に整理されている。
天気と目的に合わせて着るものを自由に選ぶ。
美味しいものを食べるためには、時間をかける。
畑は、土づくりから始めた。
耕作放棄地で刈った草をマルチに使った。
野菜の顔を見て、何が欲しいか野菜と相談する。
釣った魚をすぐ絞め、海水で保冷する。
素早く、清潔に猪を捌いた肉をいただく。
刺身を買わなくなった。
肉も買わなくなった。
野菜は分けるほどである。
目が向かなかった。
やってみなかった。
「時間と贅沢」は別物と思っていた。
読みたい本も積ん読だった。
高価なものはしまい込み、愛でる時間もなく忘れた。
時間が贅沢を作ると知ってしまった。
知識を咀嚼し、栄養になるまで待てるようになった。
痛いところを気長に揉めるようになった。
人の話を聞けるようになった。
忘れられるようになった。
お礼が言える。
明日が楽しみになってきた。
2022年9月26日