故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

得にもならぬこと

2020-08-23 07:27:44 | プロジェクトエンジニアー

絵のタイトルは、「ママです」です。
ママほど非効率な職業はない。
一生懸命やって当たり前。
一瞬だけ、光を放つ清々しさをとらえたいと、似顔絵にしました。
素敵ですよ。


今日のタイトルは、「得にもならぬこと」です。

Slow lifeとはなんでしょう。
デジタル大辞泉によると、
「効率やスピードを重視するのではなく、のんびりと過ごしながら、人生を楽しみ、生活の質を高めようとすること。スローフードから派生した和製語。」とのこと。
仕事があり、達成する時間で除した解が、効率と言う満足度となって得られるものと考える。
食料を得るために畑を耕したり、行き交う人の喜びのために周りの草を刈ることは非効率である。
安い食材を輸入し、時短で料理をする。分業化を進め、競争の中で清潔と安全神話を享受する。
そんな風に生きてきました。それこそが、日本の進む道と教えられてきました。
辛いことは、いつも誰かがするものと考えていました。
効率と言う神話のような言葉に踊らされて生きてきた。

旬の食材(例えば山菜、キノコ。具体的には、シソの葉や茗荷のようなもの)を採ってきて料理をする。
めぐる季節の一瞬だけ収穫でき、ほんの少しだけいただきます。
あれが食べたいと料理本をめくり、スーパーに行き食材を調達する。
季節に関係なく、ハウスものや海外もので間に合ってしまう。
草をかき分け採ってくるものとは、誰も思わない。
いつもの場所に来年も出てくるものであり、長い時間をかけて大事に育ててきた。
放射能に限らず汚染された地物の魚が食べられない、悲しみを忘れることはできない。

夏草を刈ったところで、雨が降り日照りが続き、2週間もすると元通りである。
秋口になり、草の勢いが衰えてやっと安堵する。
そんなの待たずに、除草剤をかけてしまえ。
食品を生産する工場の周りに枯れた草がある。
とんでもないと近所からクレームをもらう。
一度草刈をやめて除草剤に頼ると、もう草刈なんてできない。
そして、草に埋もれてしまう。草の林に、ごみが捨てられ、害獣が棲む。

そうじゃない。毎日追われるように草刈をする。
春には、融けかけた雪の間から福寿草が花を開く。
待ち望んだ想いも、夏には草との格闘で思い出すこともない。
Slow lifeは暮らしであり、営みである。
上手くは言えないが、効率とは異なる文化がある。
現在の満足度を計るファクターにも誤りがある。
そうでないと、何千年という時間の中で、日本人が大切にした季節感を説明できない。

うだる夏 大葉の香り 食進む

2020年8月23日
コメント
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