故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

悩みは尽き無し

2019-03-26 07:07:48 | プロジェクトエンジニアー

若き社長の誕生を祝って描いた一枚です。
清流山国川を遡上する若鮎を連想しました。
先代が作った魚道を通るのか、はたまた激流を行くのか。


製粉会社の若社長と話すことができた。
今日のタイトルは、「悩みは尽き無し」です。
親となり子となって、家族は支え合っていく。
会社経営は、孤独との戦いでもある。
最終決断を下すゆえに孤独になる。

社長は、正直に現在ある悩みを打ち明けた。
私は、知っている限りの話を即興でアドバイスする。
悩みが深い分だけ、ヒントを探そうと話に集中するのが受けごたえでわかる。
話したりなかったことを、ここに記すことにした。
現場を見ようにも、詳細検討しようにもなにせ距離がある。
カフェを始めたばかりに、柵(しがらみ)を増やしたばかりに自由な時間が取りにくい。

最初のアドバイスは、社外にブレーンを持つことである。
社内のブレーンでは、限界がある。
損得勘定のない爺やならOKであるが、そんな人は少ない。
社長は、偏らない平衡感覚を持ち合わせなければならないからである。
社長の意向を見抜いた助言をするものである。
そんな助言を排除して、エッセンスだけを取り入れ判断をする。
偉くなった人は、自由に話せる場を作る。
下の者は、自由に意見を述べなければならない。
社員相応が、「ここまで言ってもよいんだ」と限界を取り払う。
ヒントとなる「キーワード」を探すのが、社長の役目である。
社業は、メインのものがある。
時代の変化に対応できる新製品の賞味期限は10年と短い。
センチュリーカンパニーを目指すなら、社内に隠遁している「変人」を見つけ、
遊ばせるゆとりを持つことである。
社会の価値に順応し、個人の価値創造力が欠乏する優秀な人材の賞味期限も10年である。
いわゆる優秀な成績を残す、言われたことをてきぱきとこなす人のことである。

次のアドバイスは、「面白がる人」と付き合うことである。
分析力が優れ、後先の判断をしてから行動する人がいる。
未知の分野は、予想不可能である。
よって、果敢に挑む「面白がり屋」と友達になることである。
かつて、友人と「儲かる話」を肴に一晩中飲み明かしたことがある。
自分が持っている全情報、そして全能力をつぎ込んで、架空の「儲け話」を繰り広げた。
「どうしました」と抱え込んでいる仕事を端によせ、
面白い話を聞こうとする意欲のある人のことである。
そんな友人は、社内外を問わずに数人は欲しい。
「あんたは、馬鹿か鈍いのか」とある社長に言われたことがある。
私の会社との縁を切るための無理難題だったのである。
その無理難題に果敢に挑戦したことがある。
空き地の有効活用など私の商売とは無縁のテーマであった。
おにぎりが売れない。どうしたら売れるようになるか。
こんな面白い話に飛びついたものである。思えば、今もそんなことをしている。

最後のアドバイスが、「己を知る」ことである。
自分が進みたい方向が、自分でもわからない時がある。
かつて、プロジェクトのコンセプトを創造するのに困ったことがある。
このプロジェクトをどんなコンセプトで進めるのか、皆にわかる言葉で話したい。
迷った時の道しるべとなるようなコンセプトである。
模造紙に想いを綴ることである。
思いつくことを短時間に「ワード」だけ書き続けるのである。
その後冷静になり、関係するワードを線でつなぐのである。
その線が多い「ワード」ほど、自分が思い描いている潜在的な「コンセプト」である。
社長は、皆の相談相手でありながら、けん引するリーダーでもあるわけである。
寝ても覚めても、シミュレーションをし続けることである。
社長には、想定外のことなどあってはならぬのである。
無責任な発言が社業をつぶす原因となる。
食品会社の社長は、肝に銘じておくべきである。

年よりの戯言と聞いてくれれば幸いです。

遡り 朽ちて次なる 肥しなり

2019年3月26日

コメント
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