故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

思うようにはいかぬ

2019-01-28 04:22:49 | プロジェクトエンジニアー

今日のタイトルは、「思うようにはいかぬ」です。
就職試験の時、面接官は「わが社に入っていただけたら、あなたはどんな仕事がしたいですか」
技術系なら、設計、開発と花型に見える職種を皆が希望します。
私一人だけ、「現場がよい」です。
社長の目がきらりと光った。
机の下で、密かに脱いでいた靴を履きなおした。
なんでとは、聞かれなかった。

現場に答えが落ちている。
先輩社員から教えてもらった。
不具合の解決方法なのか。
職人の知恵なのか。
熱い寒いの待ったなしの現場です。
上(顧客)から無理難題を望まれ、
下(職人)からこづかれ、
這いずり回った現場です。
「思うようにはいかぬ」から、頭を下げ知恵を絞った。
プロジェクトは、わが子のように可愛かった。

門前の小僧、経を詠み。
毎日のことだから、いつしか耳で覚えてしまった。
理屈じゃないんだ、身体で覚えろと叩き込まれた。

東大以外は、大学じゃない。
馬車馬のごとく、両親から強いられた。
できたから、さらに勉強した。

永い間、そんなことをした。
現場は辛いところ、でも我慢しろ。
後輩にも同じようなことを言った。

ずーっと、家業や社業が続くときはそれでよかった。
「思うようにはいかぬ」もの、新しいことを始めるときは役に立たなかった。
言われるままに、現場を生き抜いた。
目的意識のない、働く人の喜びを置き去りにした、
上に都合のよい修練の場だったようにも思う。
使われ損で、疲弊していった。

情報を一元化し、権力を一定のグループに集中する。
強く見えるかもしれないが、ありの穴で崩れる脆さがある。
回り道かもしれないが、
なんでと聞いて欲しかった。
お前はそれでよいのか、そうじゃない時もあるよと言って欲しかった。
物事には、裏と表がある。
どんな人にも気づかぬ事情がある。
言っても分かってもらえないだろうと、自分に言い聞かせてきた。

「思うようにはいかぬ」
気づいてしまった。
迷わずに言ったら、案外わかってもらえた。
使う側にとって期待した人材にはならなかったが、なんと生き生きとしていることか。
ドロップもアウトなんて怖くない。
「思うようにはいかぬ」時は、迷わず楽しい方に舵をきれ。

振り子さえ 戻る力で 前にいく

2019年1月28日
コメント
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