今日のテーマは、「友より便り」です。
外資系会社で、一緒に仕事をしたスイス人から便りが来ました。
彼が私の上司だったころ、前勤めていた会社の顧客から仕事を依頼されました。
私宛の仕事でした。エンジニアリングオンリーで、外資系会社の機械は一つも売れない代物です。
売り上げが不足していた上司の彼は、しぶしぶ承知しました。
売り上げだけあげて、詳しいことは本社に内緒にしようとのことで、仕事を受けました。
会社のメンバーではこなせないので、前職で先輩だった方に助けていただけないかと打診しました。
先輩は、67歳。使ってもらって足りなかったらいつでも首にしてくれとメンバーに加わってくれました。
新入社員と3人でチームを作り、エンジニアリングオンリーの仕事をさせていただきました。
なぜ、彼は承知してくれたのか後にわかりました。
エンジニアリング出身でした。
その後も、エンジニアリングだけの仕事をし、機械も売って周辺のエンジニアリングもするというように、
彼と一緒に事業を拡大していきました。
彼も私も、すこぶる女好きでした。
かみさんに隠れて悪さをすることも、しばしば。
彼のポケットに入っていた源氏名の名刺を、彼の奥さんが見つけました。
私のために名刺を保管していたと、苦しい言い逃れをしたため、奥さんの私に対する評判は大変悪かった。
ダーリンを悪の道に誘わないでと、よく注意されました。
仕事では、彼とよくぶつかりました。
至近距離にいながら、話すのはメールだけという月もありました。
ばかやろうと、本気で言えた初めての外人でした。
日本支社の社長になりそこねて、会社を辞めました。
残念でしたが、仕方がない。
彼のエピソードはたくさんありますが、ひとつだけ紹介しましょう。
女遊びがたたったのか、子どもができませんでした。
養子をもらうことに決めた夫婦は、地球の反対側に通うこと一年。
やっと、養子縁組が整いました。
できて産まれるまで一年です。当たり前のことなんだと彼は言っていました。
彼は、今スイスにいます。
公私ともに楽しいひと時を過ごしていただきました。
ありがとう。
凍てつくも 梅が咲くまで 便りくる
2019年1月21日