21世紀初頭、中国の首脳とアメリカの首脳が会談をしました。
その後、中国の市場開放が加速されました。
かつて中国は、穀物の輸出国でした。
中国の沿岸部に、次から次と外国資本の搾油工場ができました。
原料は、中国国内で獲れた大豆が原料でした。
搾油の真の価値は、搾油後の搾りかすです。
蛋白質が42%以上と厳密に規格されています。
この搾りかすが余っているのです。
中国の陸地内では、相変わらず中国メーカーの搾油工場が生産をしています。
植物油の値段は、暴落しなかったのです。
どちらも、中国の輸送インフラが成熟していないのが理由でした。
沿岸部で搾油した植物油は中国内陸部に思うように輸送できないのです。
TPPが成立した今、中国沿岸の搾油工場で生産され、余った搾りかすが
日本国内の搾油メーカーの再編を引き起こすことでしょう。
自動車も、ガソリン車より電気自動車の普及の方が、加速されています。
固定電話より、携帯電話です。
ガソリンの供給網ができていないからです。電話網も未発達です。
中国では、模倣がトレンドです。
見分けがつかないほど模倣されていれば、かえって価値が高まるのです。
ブラジルでも市場開放されましたたが、南アメリカ大陸の工場で生産されたものでなければ、
関税は安くなりません。
穀物関連の世界市場において、模倣はつきものです。
しかし、ほとんどの模倣業者が「売り切りごめん」なのです。
2-3年後には消えて無くなっているのです。当然、純正部品は供給されません。
その時になって、やっと模倣ではない業者に回帰するのです。
穀物関連の機械は、20-30年間は働き続けます。
日本の製粉会社の役員は、新工場を立ち上げる時、
自分の任期中は耐えられる機械を選択せざるを得ないのです。
模倣は、文化です。潮流を停めることはできません。
私は、プロジェクトを遂行する上で、数々の工夫をしてきました。
先輩たちは、「技術は盗むもの」と背中で教えてくれました。
私は、どんどん伝えるようにしています。
5-10年に一回やれるかどうかのプロジェクトに、固執しても意味がないのです。
本当に伝えたいのは、「やる気」であったり、「やり方」なのです。
これは、なかなか伝わらないのです。私の努力が足りないとも言えます。
中国で日本のメーカーのポテトチップスを買って、中国人が「良くできている」と褒めました。
中国で売られているポテトチップスと変わらない味だったからです。
中国の模倣業者が、日本のメーカーの製造方法を真似たのです。
その業者は、いち早く自社の販売網で、市場を支配したのでした。
構わないのです。日本のメーカーだって、最初は同じです。
パクリは、特許侵害されない限り認められているのです。
大いに結構なことです。
しかし、こちらで成功したからと言って、あちらでうまくいくとは限らないのです。
あちらで定着させるのは、幾千の知恵と工夫が必要なのです。
車を安く生産できる中国だって、ガソリンが供給されなきゃ売れないのです。
日本においても生産効率だけで、市場を確保できるのはせいぜい10年です。
よって、生産効率をあげることができる「賢い人」の賞味期限も10年です。
飽くなき戦いに没頭できる「変人」と柔軟な知恵者だけが、センチュリーカンパニーを存続できるのです。
パクリの是非について考えてみました。
鴨流に 白鳥育て 巣立つのさ
2015年11月29日