故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

水の話

2015-11-20 07:07:56 | プロジェクトエンジニアー

秋田の秘境から届く水は、格別美味しいのです。
ブナ林で数年~十数年かけて濾過され、滋養が溶け込んだ水です。
ペットボトルに入れた水を凍らせて、保冷剤として送ってくれます。
山菜と一緒に届きます。

山菜をいただく前に、溶けかかった水をまずいただきます。
喉にすーっと入って行きます。何とも美味いのです。
焼酎の水割りにしていただきます。これもいけます。

東京の水は、かつては最悪でした。
イオン交換方式にして、水質は激変しました。
ミネラルウォーターと目隠しで飲み比べアンケートをとっても半々の確率で、
東京の水道水が選ばれるほどです。

ガソリンより水の値段が高い石油産出国では、海水から水を作ります。
機能がまだ完成の域に達していない時は、少ししょっぱいそうです。
島の海沿いの井戸の水が、海水混じりで少ししょっぱかったのを思い出します。
産まれた時から、その水を飲んでいたらそれが水の味なのでしょう。

大阪の水は、琵琶湖から流れてきます。
高砂で、コーヒープラントを造った時も水は最悪でした。
淀川水系ではありませんでした。こちらは天井川で濁っていたのです。
共に、大阪の広域で美味しい豆腐は製造できなかったそうです。
今はどうなのでしょう。

アフリカでは、水を汲むために数キロメートル歩くそうです。
運べる水は、わずかです。
沖縄では、台風が来ない限り渇水状態になります。
ダムの貯水量が40%を切るような夏は、市民は断水となります。
しかし、ホテルは節水で済ませます。観光が稼ぎ頭だからです。
知っていて、お風呂にはさすがに入れませんでした。

産まれた島では、夏場になると水争いが絶えませんでした。
近所の仲を裂くほどでした。

化石燃料の代替えエネルギーが多くなると、次の戦略物資は水と言われています。
穀物もその一つでしょうが、水の方がさらに深刻でしょう。
穀物は水がなければ育ちません。

私達は、夏の夕方など、涼を求めて打ち水をします。
これはとても贅沢なことなのです。

地球温暖化は毎年進んでいるようです。
平均気温が1℃上昇すると、米の栽培適地が50Km北上するそうです。
北海道は、今やブランド米の生産地となりました。
そのうち九州では長粒種が作られるようになるかもしれません。

若い頃、水が売られるようになりました。
まさかこれが続くとは考えられませんでした。
今では、ビールや醤油と同じ価格で売られています。

中国では、汚染がひどくシャワーを浴びると皮膚が炎症を起こしたそうです。
まさかペットボトルを買って来てシャワー水として使ったのでしょうか。

沿岸の漁業は、山の水頼みと聞きました。
山の滋養が海に流れ栄養となっているとのこと。
栄養過多で赤潮、青潮の話は聞いておりました。
今では、林業従事者が激減したため、漁師さんが山の手入れをすると聞きました。

日本に住む私達の生活は、水との縁は深いのです。
水を上手に使って生活をし、風流の一翼を担っています。
しかし、この頃は集中豪雨が頻繁に起こります。
東京では100mm/時間以上降ると、街は洪水になるそうです。
東京の地下に、大きな貯水池を掘って備えているそうです。
東京都下では、雨水の排水管整備が遅れていて、工場用地には浸透枡が多く施工されています。
この夏は、30mm/時間の降水量でも、アスファルト道路が川になりました。
空川もありますが、どうにも役にはたってはいないようです。

歴代の偉い人は、治水に力を入れてきました。

今回の東日本大震災では、津波が未曽有の被害をもたらしました。
普段は上がって来ない海水が40mの高さまで上がってきたのです。
多くの尊い命が奪われました。テレビで見た災害は信じられない光景でした。

命を救う水です。
命を奪う水です。

近いうちに、水がエネルギーに変わることでしょう。
水からできた水素で自動車が走るのです。
水素は、北海道などの安い電気料金で作られて、大都会まで運ばれて使われるのです。

「水に流す」はそのうち死語となることでしょう。

2015年11月20日

コメント
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