楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

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皇女和宮の行列(中山道番外記 24)

2009年02月03日 09時01分00秒 | つれづれなるままに考えること
写真付をご覧になる方は、下記URL:をクリックしてお進みください。

URL:http://hide-san.blog.ocn.ne.jp/bach/2009/02/post_a7fc.html

(和宮の行列)
先日、篤姫のお駕籠が展示されているというので、江戸東京博物館へ出かけた。
午前中の早い時間に行ったにもかかわらず、館内は超満員であった。
駐車場には観光バスが何台も列をなしていたから、
人数は計り知れない。

館内は展示物が見えないほどであったが、
目当ての駕籠の展示スペースが広かったこともあり、
こんな時、何時もの事だが、ボクは順序良く観るというより、
逆通行でしかも裏側を観るという癖があって、
裏側から見たらがらがらでよく観ることができた。
カミサンはいつものことながら正攻法で観るので、
長い時間かけて列に並び、やっと見学することができたといって喜んでいた。

外側も内側も豪華な篤姫のお駕籠であるが、駕籠の中は意外に狭く
あんなものに乗って一日揺られるのは大変な苦労であると感じた。
駕籠の中では正座しているのかと思ったが、
当時の人が駕籠に乗っている絵が展示されていたので、
正座していないことが分かった。
駕籠の下には布団のようなものがあって、
足は投げ出していようと曲げていようと、
座椅子にもたれかかったような姿勢であることが分かった。

それにしても一日の内には、トイレ休憩やら、お茶の休憩があったのであろうが、
少なくも連続2時間は乗ったであろうから、そのご苦労はお察しするに有り余る。

京都から江戸に降下された天皇の妹君 和宮様のご苦労が思いやられる。
前回 番外記(宿泊と行列http://hide-san.blog.ocn.ne.jp/bach/2008/09/post_7b82.html参照)
で書いた和宮の行列は、江戸からお出迎え1万5千人、京都からのお見送り1万人,
通しでの御付きが4千人であったと言うから、しめて合計2万9千人。

行列は25日かけて江戸に到着したと記録にあり、
時あたかも12月で日も早く暮れる。昔のことだから、
太陽のあるうちに次の宿泊所に到着したであろうから、
少なくも朝7時には出発し夕方4時には宿に着いたと思われる。
途中、先ほど書いたようにトイレ休憩、
お昼ご飯やお茶の時間を入れると、実働時間は7時間。
京都より江戸まで25日で534kmの距離を単純に割ると1日平均21km。
実働7時間で割ると行列が進んだのは、時速3kmとなる。
1メートル間隔で通行したとすると、約三万人の行列が3列で進むと
行列の長さは1万メートル=10kmで、これを時速三キロでは、
行列の通過が終わるのは、3時間20分程度になる。

和宮様下向の際に沿道に出された
禁止事項(板橋区教育委員会資料による)は以下の通りで、

1.公私領の別無く、通行の前後3日は旅人の通行を禁止する。
2.往来の草深い箇所は刈り込み、2日まえから掃除をして置く事。
3.街道の立ち木の枝は日傘に触らないように刈り込むこと。
4.通行時、家屋の前には盛り砂をして、水を入れた桶を置くこと。
5.宿場の2階屋は、雨戸を閉じ、看板や暖簾は外しておくこと。
6.通行時は、店の土間にむしろを敷き、平伏すること。
7.商い物は片付けるかよしずをかぶせること。
8.足袋わらじなどを軒先で売らないこと。
9.農家の軒先に竹木を立てかけておかないこと。
10.通行時近くの寺の鐘は鳴らさないこと。
11.通行の二日前から鳴り物を鳴らさないこと
12.通行時は煙を立てないこと。
13.目障りなものは、よしずやむしろで覆うこと。
14.男は裏手に居ること。

6番にあるように、「通行時は平伏せよ」であるから、
この間平伏していなければならないのは、
やり過す住民はたまったものではない。
面白いことに最後の14番には「男は前に出るな」とある、
平伏するのは女ばかりであっただろうか?

TVドラマや時代劇の映画では、大名が通ると「下に~下に~」で
お駕籠が通る間土下座しているが、
和宮のときも駕籠が通過する間だけ平伏すればよかったのであろうか?

1番には、行列の通過前後3日間は旅人の通過は禁止されているが、
所要あってどうしても出かけなければならない人は裏道を急いだのであろうか?
考え出したらきりがなく、夜も眠れない。
過ぎた昔のことだから、今では笑って済ませるが、
煙を出すな、音を出すな、では家の中に閉じこもっての生活は、
随分窮屈であったことであったろう。

あまりにも禁止事項が多いから、返って好奇心をあおり、
珍しいもの見たさの民衆を抑えるのにお役人が苦労したに相違ない。  
コメント
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