ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

予防接種の予定の立て方~杉並区の場合

2012-06-19 21:46:02 | 医療情報

二か月でワクチンデビュー!

というのが、合言葉になってきました。

自治体によって、BCGが個別接種か集団接種かでも同時接種の組み方はちがってきます。

杉並区では4か月健診と合わせてで集団接種ですので、BCGとほかのワクチンの同時接種ができません。

同時接種は何と組み合わせても自由です。いくつでもOK。

  杉並区では、同時接種最新のクリニックでは、乳児期の6種類のワクチンの同時接種も珍しくありません。

生ワクチンの後は4週間、不活化ワクチンの後は1週間あけます。(同じ曜日でOK)

開始月例がそれぞれ決まっています。ヒブ・肺炎球菌などは2か月。BCG・DPTは3か月…という風に

これらの決まりごとをすべてクリアーにしてやっていくには、決まりを頭に入れて、

組みやすいところから組んでいくといいと気づきました。

もちろん、前回書いた予防接種スケジューラーを使えば、まちがったところは指摘してくれるので一緒に確かめながら。

①BCGの日を決める。(3回目)月に二日しかないので、ここから決めると組みやすいのです。(3回目)

②BCGの4週間以上あけて前に2回目のロタ・ヒブ・肺炎球菌とDPT1回目を入れる。(三か月・2回目)

③②の4週間以上あけて前に1回目のロタ・ヒブ・肺炎球菌を入れる。(二か月のデビュー・1回目)

④BCGの後4週間以上あけて2回目のDPTを入れる。(4回目)

⑤さらに3~8週間あけて3回目のDPTを入れる。(5回目)

B型肝炎をしたいなら、③②のところで、同時接種に加えるか④⑤のところで入れるか。

④⑤でいれるなら、間隔は4週間あけてください。

BCGが自由に日を選べないために、BCGから決定していくのが作りやすいです。

そのときに、私も何回かついうっかりしてしまうのですが、間隔ばかり気をとられ、

DPTを3か月に満たない日に組み込んでしまうことがあるのです

注意しましょう~

予防接種スケジューラーに入れれば、ここはダメと言われますが。

そして、BCGの予定ですが、こちらで確認できます。

もちろん、わかりにくい~~という方のためには直接ご相談にのります。

ひだまりクラスにきていただいてもいいですし、クリニックで計画を立てるでもいいです。

最初の接種をする日に一緒にその後の計画を一緒にたてることもできますよ~

やはり、ロタワクチンもしておこうと思いなおした、などという場合はちょっと組み立てるのに苦労する場合もあるし、

場合によってはもう無理です、ってことにもなります。

ロタワクチンは(今接種できるロタリックスは)生後6週から二回。二回の間は4週間あける。二回目は24週0日までに終了する。

などの条件があります。初回接種最終日は生後140日・接種終了日は生後168日となっています。

明日はひだまりタイムが堀之内東児童館11時からあります。

雨・・・やまないと赤ちゃん連れには厳しいでしょうね~台風は、どうなるでしょうね~

 

 

 

 

 

 


レジリエンスの講座①・・・ファシリテーターって何か?

2012-06-19 06:36:35 | 家庭内の暴力について

レジリエンスのファシリテーター連続講座に先週末行ってきました。

DVのことをしっかり考えていきたい学んでいきたいと思っています。

以前から産科病院の健診でときどきいたのですが、

最近そういう目できちんと見ると本当に多いなぁとおもうからです。

保健センターでの健診にもちらほら・・・

そして、その人は気付いていないことも多いのです。

だから、混乱していたり苦しかったり自信がなかったり自分を責めたり・・・

そういう人に「あなたはDVを受けているかも」と言うことはできないでいます。

どうしたら、よりよいアドバイスができるか、どうすればその人の人生をよりよくしていくのか・・・

そんなことは人生の一瞬しか出会えない私には・・・と尻込みしてしまいます。

自信を持って気づきのきっかけになる言葉をかけてあげられたらと思います。

DVの自覚をもっている人が、短期間にこうも変わるの?ということが健診でありました。

6か月の健診で、そのお母さんはとても暗い顔をしていました。

「夫から二人目の産後に暴力を受け、実家に避難していて家に帰れないままです」と、

「とても一緒にやっていけないが、私の気持ちを優先して、子ども達から父親を奪ってしまっていいのか?悩んでいます」と。

「別れた方がいいでしょう」とは言えないですよね。

それは彼女の人生の決断であり、彼女自信が決めることですから。

彼女の話を聴いた後で、「お母さんが幸せでいることは、子どもにとってはすごく大事なことなんですよ。」

と言いました。

これは、本当に私が確信していることで追いつめる言葉にはならないと思ったので。

身体的暴力のことしか彼女は言ってなくて、(その出来事が一番暴力とわかりやすいのですが)

でも、精神的な暴力もかなり受けていたのではないかと話を聞いていて思いました。

話はどんどんでてきました。

自分らしい決断ができるといいね、頑張れ!って思いで見送りました。

その後、9か月健診で、晴れ晴れとした顔で見えて

「先生のアドバイスで決断できました。別れました。両親も見守ってくれています」と報告してくれました。

よかったな~と思いましたが「私が別れた方がいいって印象出してた?」と質問したら、

「いえいえ、自分で決めました。大丈夫です。でも、私が生き生きできないのはよくないって本当に思えたんです」

と答えてくれました。

顔つきが数か月でこれほど変わるのかと、私は惚れ惚れして見とれてしまいました。

そして、本当によかったと、強い印象が残っています。

彼女はその後・・・今どうしてるのか・・・わかりません。

でも、自分で決めた自信で新しい人生を歩いてるのではないかと思います。

そうであってほしい。

ファシリテーターと講師の違いが、今回の講座ではまずありました。

講師は「教える人」「良し悪しを決める人」「答えを持っている人」

ファシリテーターは「自分の内側を見つめる作業を見守る人」「安全を配慮する人」

と最初にありました。

答を出すのは本人であり、そしてファシリテーターは支援や情報を対等な立場で手渡す。

対等でない支援は傷つきにつながる、同情でなく共感を。

そんな話がまずありました。

私が健診で気をつけていることと、まさに合致しています。

健診でも、本当にそう。

母乳育児をしたい人に、その時にできるいろいろな方法を伝えながら(対等に情報を示す)、

一緒に考えて、見守る。

こうしなさい、これが正しい、そういう態度をとりたくないといつも思っています。

情報は伝える、それは上からの押し付けでなく、客観的な医学的な本当のこと。

そして、納得して本人に選んでもらう。

予防接種もこれにつきます。

今、私がツイッターでお産のことで一生懸命言いたいのはそういうことなのです。

140字で上手にまとめられなくて主張したいことが反感をかっているように思えるのですが。

お産の危険があるのに、自然出産だなんて!という意見に、もちろんそうだと思います。

母子の命が第一なのは、あたりまえ。

でも、この講座を受けてしっかり感じたのは、医療の場にある人のアドバイスが、

対等でなく(プロとしての情報や指導はもちろんあるでしょうが)、

なんでこの人はこんなにこだわるんだ?というような気持ちのどこかに上から目線がないでしょうか?

こんなことにこだわるなんて変わっている人だと決めつけていないでしょうか?

医療の中の家父長制、「医者がいうのだからまちがいはない、言うことをきいたらいい」(「お父さんのいうことは絶対」みたいな)

そんな気持ちがどこかにないでしょうか?

そういう上下関係力関係は傷つきをもたらします。

今回の講座のファシリテーターの説明は最初のごく一部。

消化不良を起こさないように、ここで、きちんとまとめて書いていこうと思います。

講座の内容はどんどんシェアしてくださいということですので。

本当に参加してよかったです。

知識を自分の生きていく力にしていきたいです。

力と言っても暴力の力でなく。人に対する力でなく自分の力に。