矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

知識のTransfer

2011-02-06 10:23:33 | 医学教育
医学教育学で、知識のtransferが効率的に起こるにはどのようなteachingが望ましいかを勉強しています。

Transferとは、学んだ内容を別の機会に利用する、応用する、ということです。

Transferには、

positive vs. negative
vertical vs. lateral
near vs.far
specifice vs. general

の4種類あるそうです。

臨床現場では、たとえば、以前に見た症例をもとに、診断をつけられる、マネージメントができるようになる、患者の問題を検出・発見し治療に結び付けられる、というのが最終的なtransferになります。

日本の医学教育の大きな課題のひとつが、

「知識詰め込み型」から、「問題解決型」への移行
「知識丸暗記型」から、「臨床判断力養成」への移行

だと私は考え、日常的にもそこのフォーカスした診療と教育の実践を続けたいと思っています。

「知識を丸暗記するだけ」では、患者の治療はできないため、「知識をいかに応用するか」のトレーニングを学生時代、初期研修医時代にできたかどうかで、その後の臨床能力は大きく左右されている印象です。

学習・教育理論と原理を学ぶことで、基盤となるメカニズムを知り、そのうえで、効果的なteachingを目指しています。