俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

冬初め

2008年11月09日 | 俳句

『落葉踏む 惑いの妹の 山の道』
(おちばふむ まどいのいもの やまのみち)

『恋い恋いて 逢いにし縁 神無月』
(こいこいて あいにしえにし かんなづき)

『今夜また 電話なき夜の 愁思かな』
(こんやまた でんわなきよの しゅうしかな)

『ハニカミし 妹の背高く 暮の秋』
(はにかみし いものせたかく くれのあき)

『今日ばかり 歳の差忘れ 小春の日』
(きょうばかり としのさわすれ こはるのひ)

『邂逅の 人と思わば 冬温し』
(かいこうの ひととおもわば ふゆぬくし)

『用無くも 便りの欲しき 梨を剥く』
(ようなくも たよりのほしき なしをむく)

『淋しさも 冬の初めの 恋心』
(さびしさも ふゆのはじめの こいごころ)

『北国の 根性見せし 冬菫』
(きたぐにの こんじょうみせし ふゆすみれ)

『トロッコの 下に透け見ゆ 初紅葉』
(とろっこの したにすけみゆ はつもみじ)

『嫁の剥く 三年振りの 柿旨し』
(よめのむく さんねんぶりの かきうまし)

『吊り橋の 揺れる下にも 初紅葉』
(つりばしの ゆれるしたにも はつもみじ)

『宝満より 太宰へ続く 紅葉道』
(ほうまんより だざいへつづく もみじみち)

『初紅葉 通学路掃除 きりもなく』
(はつもみじ つうがくろそうじ きりもなく)

『冬初め 鍋の多きも 苦にならず』
(ふゆはじめ なべのおおきも くにならず)

『萩見れば 薄を思う 秋の暮』
(はぎみれば すすきをおもう あきのくれ)

『嵐山 足湯に流る もみじの葉』
(あらしやま あしゆにながる もみじのは)

『秋刀魚には 大根おろし 月に雲』
(さんまには だいこんおろし つきにくも)

『手枕に 慣れて胃下垂 赤のまま』
(てまくらに なれていかすい あかのまま)

『小春日や 子守の支度 まず手洗い』
(こはるびや こもりのしたく まずてあらい)


コメント
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