俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

うすもみじ

2008年11月04日 | 俳句

『千年紀 式部の色の 薄紫』
(せんねんき しきぶのいろの うすむらさき)

『側溝に 背黒鶺鴒 見え隠れ』
(そっこうに せぐろせきれい みえかくれ)

『白大福 八十四円の 秋の味』
(しろだいふく はちじゅうよえんの あきのあじ)

『秋暁や 風は冷たく 急ぎ足』
(しゅうぎょうや かぜはつめたく いそぎあし)

『噴水の 飛沫に掛かる 秋の虹』
(ふんすいの しぶきにかかる あきのにじ)

『冬近し 雲の掠れも 板に付き』
(ふゆちかし くものかすれも いたにつき)

『柿の実の 四角四面の でかき顔』
(かきのみの しかくしめんの でかきかお)

『朝霧は 電車遅延の 言い訳に』
(あさぎりは でんしゃちえんの いいわけに)

『碧天を 見て濃くなりし 山紅葉』
(へきてんを みてこくなりし やまもみじ)

『薄紅葉 次第に山を 下りてくる』
(うすもみじ しだいにやまを おりてくる)

『川下り 橋の向こうに うすもみじ』
(かわくだり はしのむこうに うすもみじ)

『常緑の 中に沁み込む 薄紅葉』
(じょうりょくの なかにしみこむ うすもみじ)

『秘めている 戀の証や うすもみじ』
(ひめている こいのあかしや うすもみじ)

『薄紅葉 飛鳥の川を 下り来る』
(うすもみじ あすかのかわを くだりくる)

『吾亦紅 戀の話は また今度』
(われもこう こいのはなしは またこんど)

『紅白も 紅が勝れり 吾亦紅』
(こうはくも あかがまされり われもこう)

『選挙にて 変わるもの無し ああ秋思』
(せんきょにて かわるものなし ああしゅうし)

『行く秋の 証のさざ波 細やかに』
(ゆくあきの あかしのさざなみ こまやかに)

『北風の 如き女去り いまだ秋』
(きたかぜの ごときひとさり いまだあき)

『菊花展 終われば何も 無き如し』
(きくかてん おわればなにも なきごとし)