俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

初時雨

2008年11月08日 | 俳句

『刻流る 小春日和の 閑かさに』
(ときながる こはるびよりの しずかさに)

『冬初め 北と南の 温度差よ』
(ふゆはじめ きたとみなみの おんどさよ)

『大根に 味が滲み込む 鍋の底』
(だいこんに あじがしみこむ なべのそこ)

『落葉色 空青ければ なお紅し』
(おちばいろ そらあおければ なおあかし)

『妹に贈る 三冬古木の 花の意を』
(せにおくる さんとうこぼくの はなのいを)

『初時雨 心は重く 気は急きて』
(はつしぐれ こころはおもく きはせきて)

『雨音は 心の鏡 雨淋し』
(あまおとは こころのかがみ あめさびし)

『三尺を 置いて鏡見る 冬の我』
(さんじゃくを おいてかがみみる ふゆのわれ)

『もみじ葉の 色の移りに 刻感ず』
(もみじはの いろのうつりに ときかんず)

『会いて後 寝酒深まる 昨日今日』
(あいてのち ねざけふかまる きのうきょう)

『もう三日 便りも来ずの 冬初め』
(もうみっか たよりもこずの ふゆはじめ)

『歳の差は この冬も同じ 五十と二』
(としのさは このふゆもおなじ ごじゅうとに)

『折鶴を 習い損ねし 神無月』
(おりづるを ならいそこねし かんなづき)

『保津峡の 紅葉谷背に 川下る』
(ほづきょうの もみじだにせに かわくだる)

『枯葉散る 荒野に一人 居るごとし』
(かれはちる こうやにひとり いるごとし)

『小春日の 河原でごろり ごろごろり』
(こはるびの かわらでごろり ごろごろり)

『初冬の 気配漂う 明日香道』
(はつふゆの けはいただよう あすかみち)

『散髪の 耳垢取りや 小春日や』
(さんぱつの みみあかとりや こはるびや)

『柿の木を 仰ぎ見すれば 抜ける空』
(かきのきを あおぎみすれば ぬけるそら)

『己が臍 まだまだ見えて メタボの冬』
(おのがへそ まだまだみえて めたぼのふゆ)

コメント
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