俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

冬菫

2008年11月21日 | 俳句

『柿喰えば 甘さ拡がり 限がなし』
(かきくえば あまさひろがり きりがなし)

『柿落葉 瓦に残り 渋き鬼』
(かきおちば かわらにのこり しぶきおに)

『冬菫 女はやさしと 言うけれど』
(ふゆすみれ おんなはやさしと いうけれど)

『石垣に 咲く根性の 冬菫』
(いしがきに さくこんじょうの ふゆすみれ)

『冬眠の はじまりなのか 眠り惚け』
とうみんの はじまりなのか ねむりほけ)

『初雪の ニュースちらほら 冬は来ぬ』
(はつゆきの にゅーすちらほら ふゆはきぬ)

『陽の光 さみしさ漂う 冬の午後』
(ひのひかり さみしさただよう ふゆのごご)

『便りなく 十と七日 過ぎし冬』
(たよりなく じゅうとしちひ すぎしふゆ)

『冬旱 口は災い 地で行けり』
(ふゆひでり くちはわざわい ぢでゆけり)

『己が身の 意識の内外 冬旱』
(おのがみの いしきのうちそと ふゆひでり)

『冬旱 出る宰相毎に 不快増す』
(ふゆひでり でるひとごとに ふかいます)

『己が身の 意識の内外 冬旱』
(おのがみの いしきのうちそと ふゆひでり)

『出身の 判らぬ落葉 世に多し』
(しゅっしんの わからぬおちば よにおおし)

『道の端に 寄す学生の 落葉掃き』
(みちのはに よすがくせいの おちばはき)

『やっと来た 神有月の 気休めが』
(やっときた かみあづきの きやすめが)

『嫁の留守 寝酒の進む 昨日今日』
(よめのるす ねざけのすすむ きのうきょう)

『嫁の留守 酒は多めの たまご酒』
(よめのるす さけはおおめの たまござけ)

『嫁の留守 独り気になる 隙間風』
(よめのるす ひとりきになる すきまかぜ)

『嫁の留守 日向ぼっこも 気乗りせず』
(よめのるす ひなたぼっこも きのりせず)