『出て判る 冬の浦和の 東口』
(でてわかる ふゆのうらわの ひがしぐち)
『口捻じり 口耳四寸 隙間風』
(くちねじり こうじよんすん すきまかぜ)
『神の留守 小鷺戯れ 鵜も混じり』
(かみのるす こさぎたわむれ うもまじり)
『落葉踏む 明日香の道に 古の音色』
(おちばふむ あすかのみちに このねいろ)
『石蕗の黄に 思いを馳せる 女が居て』
(つわのきに おもいをはせる ひとがいて)
『落葉とも 風とも遊ぶ 妹ありき』
(おちばとも かぜともあそぶ いもありき)
『落葉掃き しばし休めよ きりがない』
(おちばはき しばしやすめよ きりがない)
『枯草の 音を楽しむ 妹が居て』
(かれくさの おとをたのしむ いもがいて)
『何時会える 望み薄きや 暮早し』
(いつあえる のぞみうすきや くれはやし)
『何思う 小春日和の 小一日』
(なにおもう こはるびよりの こいちにち)
『鋤焼も 残してしまう 年となり』
(すきやきも のこしてしまう としとなり)
『立ち食いの 天ぷらうどん 夕時雨』
(たちぐいの てんぷらうどん ゆうしぐれ)
『羊雲 ぽつんぽつんと 冬の空』
(ひつじぐも ぽつんぽつんと ふゆのそら)
『言葉にも 顔をも卑し 今朝の冬』
(ことばにも かおをもいやし けさのふゆ)