俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

秋の形

2007年09月15日 | 俳句

『往きは良し 帰りは不安 秋の空』
(いきはよし かえりはふあん あきのそら)

『傘持たず 降るを懸念の 秋時雨』
(かさもたず ふるをけねんの あきしぐれ)

『秋雨や 地下通る間に 雨の降る』
(あきさめや ちかとおるまに あめのふる)

『入道の 西日遮り 際立ちぬ』
(にゅうどうの にしびさえぎり きわだちぬ)

『西日射し 観音入道 神々し』
(にしびさし かんのんにゅうどう こうごうし)

『雲流れ 千変万化 秋の形』
(くもながれ せんぺんばんか あきのかた)

『腹鼓 いい音させて 月を待つ』
(はらつづみ いいおとさせて つきをまつ)

『雲の奥 三日月見るや 目を瞑り』
(くものおく みかづきみるや めをつむり)

『秋の夜は 一人淋しく 酒を飲む』
(あきのよは ひとりさびしく さけをのむ)

『秋時雨 思い寝の跡 濡れ枕』
(あきしぐれ おもいねのあと ぬれまくら)

秋の日

2007年09月14日 | 俳句

『寝て居りし 鹿を起こして 二月堂』
(ねておりし しかをおこして にがつどう)

『老いたるか 一休みせし 秋の蝶』
(おいたるか ひとやすみせし あきのちょう)

『秋の日や 何とはなしに 指を折る』
(あきのひや なんとはなしに ゆびをおる)

『祖父親 どちらに似たるや 吊るし柿』
(おおじおや どちらににたるや つるしかき)

『待ち遠し 菊と月との 酒の宴』
(まちどおし きくとつきとの さけのえん)

『赤とんぼ 地蔵の鼻で 小休止』
(あかとんぼ じぞうのはなで しょうきゅうし)

『雨だれの 音に起こされ 今朝の秋』
(あまだれの おとにおこされ けさのあき)

『過ぎたるは 秋の寝覚めや 今ひとつ』
(すぎたるは あきのねざめや いまひとつ)

『秋の朝 飾りし書に 陽の射して』
(あきのあさ かざりししょに ひのさして)

『長月や テレビ点ければ ホームラン』
(ながつきや てれびつければ ほーむらん)

『大安と 聞いて嬉しき 秋の朝』
(たいあんと きいてうれしき あきのあさ)

『赤とんぼ まっ赤赤と 嫁自慢』
(あかとんぼ まっかっかと よめじまん)

うそ寒(うすら寒い)

2007年09月13日 | 俳句

『コスモスは 夕陽に映えて 赤く揺れ』
(こすもすは ゆうひにはえて あかくゆれ)

『うそ寒き ヤブから棒の 無責任』
(うそさむき やぶからぼうの むせきにん)

『鈍行は 右に左に 西日射す』
(どんこうは みぎにひだりに にしびさす)

『枝豆も 柿の種もや 嫁のつま』
(えだまめも かきのたねもや よめのつま)

『夕暮れに 風に吹かれて 秋を知る』
(ゆうぐれに かぜにふかれて あきをしる)

『沈む陽も 登る陽も良し 秋の志賀』
(しずむひも のぼるひもよし あきのしか)

水引

2007年09月12日 | 俳句

『向日葵の またも元気に 笑ってる』
(ひまわりの またもげんきに わらってる)

『秋愁い 靴鳴く豆泣く 膝も啼く』
(あきうれい くつなくまめなく ひざもなく)

『休み明け 心身ともに 夏バテす』
(やすみあけ しんしんともに なつばてす)

『空覆う 秋雲の芯 まぶしかり』
(そらおおう あきぐものしん まぶしかり)

『水引を 見つけし路地に 風通る』
(みずひきを みつけしろじに かぜとおる)

『鶏頭の うねる花びら 目に痛し』
(けいとうの うねるはなびら めにいたし)

『道の辺の 尾花が上の 露光る』
(みちのべの おばながうえの つゆひかる)

『露草の 青く小さき 花いとし』
(つゆくさの あおくちいさき はないとし)

『薄揚羽 並走の間の 楽しさよ』
(うすあげは へいそうのまの たのしさよ)

秋風

2007年09月11日 | 俳句

『秋の空 鴉来りて 夜の明ける』
(あきのそら からすきたりて よのあける)

『秋刀魚食う 腸講釈に 苦さ増す』
(さんまくう ちょうこうしゃくに にがさます)

『カビに啼く 高松塚に 竹の春』
(かびになく たかまつづかに たけのはる)

『ビル風に 後押しされし 秋の風』
(びるかぜに あとおしされし あきのかぜ)

『露時雨 薄き頭に ただぽとり』
(つゆしぐれ うすきあたまに ただぽとり)

『鰯雲 やっと来たかと 空を見る』
(いわしぐも やっときたかと そらをみる)

『かくれんぼ ここに居るよと 鬼やんま』
(かくれんぼ ここにいるよと おにやんま)

『秋の雲 どこぞへ行くか 風に聞こ』
(あきのくも どこぞへゆくか かぜにきこ)

『秋風や 小悪党多き 小役人』
(あきかぜや こあくとうおおき こやくにん)

『鳶舞う あの青空へ 秋空へ』
(とんびまう あのあおぞらへ あきぞらへ)

花野

2007年09月10日 | 俳句

『待宵草 雲に隠れし 月を向く』
(まちよいぐさ くもにかくれし つきをむく)

『涼風よ 妹の香載せて 吹いとくれ』
(すずかぜよ いものかのせて ふいとくれ)

『団栗を 拾ってくれぬと 妹の啼く』
(どんぐりを ひろってくれぬと いものなく)

『秋忘れ 朝日に願う 妹が事』
(あきわすれ あさひにねがう いもがこと)

『灯のともり 我を迎える 花白粉』
(ひのともり われをむかえる はなおしろい)

『秋桜は 風に身任せ 揺れている』
(こすもすは かぜにみまかせ ゆれている)

『諦念は 停年の如 露の草』
(ていねんは ていねんのごと つゆのくさ)

『我立ちぬ 花野の先に 枯野見ゆ』
(われたちぬ はなののさきに かれのみゆ)

『寝転べば 花に包まる 花野かな』
(ねころべば はなにつつまる はなのかな)

『転寝に はっとして目覚む 夜長かな』
(うたたねに はっとしてめざむ よながかな)

露しぐれ

2007年09月09日 | 俳句

『散歩道 袖に掛かりし 露しぐれ』
(さんぽみち そでにかかりし つゆしぐれ)

『燃え盛る 炎の如き 曼珠沙華』
(もえさかる ほのおのごとき まんじゅしゃげ)

『曼珠沙華 我と同じく 赤く燃え』
(まんじゅしゃげ われとおなじく あかくもえ)

『我れ想い ぽーっと一華 曼朱沙華』
(われおもい ぽーっとひとはな まんじゅしゃげ)

『我はまた 銀河の旅を 一人せん』
(われはまた ぎんがのたびを ひとりせん)

『気が付けば 黄一面の 女郎花』
(きがつけば きいちめんの おみなえし)

『名前より 親しみ深き 鬼やんま』
(なまえより したしみぶかき おにやんま)

『凛とした 桔梗の花に 妹想う』
(りんとした ききょうのはなに いもおもう)

『秋を知る 山に林に 色味に』
(あきをしる やまにはやしに いろあじに)

『秋模様 花鳥風月 秋三昧』
(あきもよう かちょうふうげつ あきざんまい)

『秋の蝉 心澄まして 耳澄まし』
(あきのせみ こころすまして みみすまし)

白露

2007年09月08日 | 俳句

『秋哀れ 暴れ水過ぎ 忘れ水』
(あきうれい あばれみずすぎ わすれみず)

『白露の 朝日を浴びて 光道』
(しらつゆの あさひをあびて ひかりみち)

『人の道 草露の白 緑増す』
(ひとのみち くさつゆのしろ みどります)

『うすもみじ いつ我が色に 染めらるや』
(うすもみじ いつわがいろに そめらるや)

『雲に乗り 風に吹かれて 秋心』
(くもにのり かぜにふかれて あきごころ)

秋桜

2007年09月07日 | 俳句

『秋草や 白露の玉 散りこぼれ』
(あきくさや しらつゆのたま ちりこぼれ)

『北の空 鴉の子別れ 連れ飛びぬ』
(きたのそら からすのこわかれ つれとびぬ)

『秋の波 ひと安心や 阪神や』
(あきのなみ ひとあんしんや はんしんや)

『野分かな 窓より入る 風を見る』
(のわきかな まどよりはいる かぜをみる)

『遅々として 雨風強き 野分かな』
(ちちとして あめかぜつよき のわきかな)

『秋草や 行雲流水 道遠し』
(あきくさや こううんりゅうすい みちとおし)

『夢の中 色とりどりの 花野行く』
(ゆめのなか いろとりどりの はなのいく)

『爽やかや 夢の鏡の 我が姿』
(さわやかや ゆめのかがみの わがすがた)

『見つけたり 小さな小さな 秋一つ』
(みつけたり ちいさなちいさな あきひとつ)

『秋桜 踊るが如く 風のまま』
(あきざくら おどるがごとく かぜのまま)

『金烏 玉兎とも 秋急ぐ』
(きんからす たまうさぎとも あきいそぐ)
          金烏=太陽 玉兎=月

さやけし

2007年09月06日 | 俳句

『渋柿よ ヒールの音の けたたまし』
(しぶがきよ ひーるのおとの けたたまし)

『スキンヘッド 二人も居れば 暑苦し』
(すきんへっど ふたりもいれば あつくるし)

『夫婦して タイガーシャツは 暑苦し』
(ふうふして たいがーしゃつは あつくるし)

『恋に効く 秋の風呂は 有馬泉』
(こいにきく あきのふろは ありません)

『冷房は 止めてくれよと 膝の言い』
(れいぼうは とめてくれよと ひざのいい)

『はや九月 台風余波か 雲速く』
(はやくがつ たいふうよはか くもはやく)

『いわし雲 上は東に 下西に』
(いわしぐも うえはひがしに したにしに)

『茂るには 敵わぬ岸よ 孫旱』
(しげるには かなわぬきしよ まごひでり)

『こちらにも 太陽あると 撫子の』
(こちらにも たいようあると なでしこの)

『さやけしや 笑顔とびっきり 見てみたし』
(さやけしや えがおとびっきり みてみたし)

鶏頭

2007年09月05日 | 俳句

『ああ野菊 摘み取られしや 墓の前』
(ああのぎく つみとられしや はかのまえ)

『鶏頭の 風に揺れてや 一二匹』
(けいとうの かぜにゆれてや いちにひき)

『朝顔は 花弁紫 芯は朱に』
(あさがおは かべんむらさき しんはしゅに)

『秋来たり 蝉の音無くて 鴉啼く』
(あききたり せみのおとなくて からすなく)

『夏過ぎて 背中の汗の 涼しけり』
(なつすぎて せなかのあせの すずしけり)

『もう嫌や 夏の日差しが 戻るのは』
(もういやや なつのひざしが もどるのは)

『冷奴 秋となりても しょうがなし』
(ひややっこ あきとなりても しょうがなし)

ハン・ヘジン

2007年09月04日 | 俳句

『朝顔や しぶとく咲きて いつ萎む』
(あさがおや しぶとくさきて いつしぼむ)

『朝顔や 迎えご苦労 日は沈む』
(あさがおや むかえごくろう ひはしずむ)

『秋の野に 秋の色音 探し行く』
(あきののに あきのいろおと さがしゆく)

『思い寝し 妹の姿に 秋の虹』
(おもいねし いものすがたに あきのにじ)

『ああ夜長 なんとも長き 夜長かな』
(ああよなが なんともながき よながかな)

『秋暁や 今新しき 風の吹く』
(しゅうぎょうや いまあたらしき かぜのふく)

『空を見て まだある青さ 天高し』
(そらをみて まだあるあおさ てんたかし)

『あかとんぼ 寝転び見ても 赤蜻蛉』
(あかとんぼ ねころびみても あかとんぼ)

『舟浮かべ 銀河で星釣る 夢を見し』
(ふねうかべ ぎんがでほしつる ゆめをみし)

『鳳仙花 弾けて飛んで ハンヘジン』
(ほうせんか はじけてとんで はんへじん)

星の秋

2007年09月03日 | 俳句

『今日から 暑さ戻りて 秋暑し』
(きょうから あつさもどりて あきあつし)

『今日から まだまだ暑き 二学期よ』
(きょうから まだまだあつき にがっきよ)

『貧相な 農水大臣 もう秋だ』
(ひんそうな のうすいだいじん もうあきだ)

『国技とや 帰国横綱 相撲界』
(こくぎとや きこくよこづな すもうかい)

『色褪せし 妹の写真に 秋は来ず』
(いろあせし いものしゃしんに あきはこず)

『嫁の留守 カップラーメン 秋定食』
(よめのるす かっぷらーめん あきていしょく)

『止まりたる 蜻蛉の顔と にらめっこ』
(とまりたる とんぼのかおと にらめっこ)

『田の畦の コスモス一輪 風を呼ぶ』
(たのあぜの こすもすいちりん かぜをよぶ)

『咲き乱れ 枯れ乱れても 酔芙蓉』
(さきみだれ かれみだれても すいふよう)

『星の秋 今更に欲し 月の秋』
(ほしのあき いまさらにほし つきのあき)

『ホオヅキや 片恋の音 放生会』
(ほおづきや かたこいのおと ほうじょうえ)

『鈴虫や 西片の門 開けとくれ』
(すずむしや にしかたのもん あけとくれ)

秋心

2007年09月02日 | 俳句

『秋暁や 九月は涼しと 嫁の言い』
(しゅうぎょうや くがつはすずしと よめのいい)

『我も秋 十を聞きて 百忘る』
(われもあき じゅうをききて ひゃくわする)

『彼岸より 手招きするや 葭の花』
(ひがんより てまねきするや よしのはな)

『向日葵は 元気の印 我が印』
(ひまわりは げんきのしるし わがしるし)

『秋来るに 真っ赤に燃えてる 我が血潮』
(あきくるに まっかにもえてる わがちしお)

『秋心 ひときわ目に沁む 耳に沁む』
(あきごころ ひときわめにしむ みみにしむ)

『秋心 孫熱あるに 如何せん』
(あきごころ まごねつあるに いかんせん)

『川下り 手に触れたきは 花真菰』
(かわくだり てにふれたきは はなまこも)

九月

2007年09月01日 | 俳句

早いもので、もう九月ですね。

『アナウンス 駅名間違え 秋暑し』
(あなうんす えきめいまちがえ あきあつし)

『秋暑し ポニーテールの うなじ見ゆ』
(あきあつし ぽにーてーるの うなじみゆ)

『色取り月 葉月とも言う この九月』
(いろとりづき はづきともいう このくがつ)

『関ジャニの 団扇の女ら 乗り込みし』
(かんじゃにの うちわのひとら のりこみし)

『六甲に 暗雲立ち込め 夕焼ける』
(ろっこうに あんうんたちこめ ゆうやける)

『いつまでも 朝顔姫の 元気らし』
(いつまでも あさがおひめの げんきらし)

『望むなら 咲かそうものを 曼珠沙華』
(のぞむなら さかそうものを まんじゅしゃげ)

『鮮やかに けたたましきや 花カンナ』
(あざやかに けたたましきや はなかんな)

『道の端 風と戯れ 野菊咲く』
(みちのはた かぜとたわむれ のぎくさく)

『月の下 乱れ咲きたる 萩の花』
(つきのした みだれさきたる はぎのはな)

『雨上がり 吹く風楽し 秋の声』
(あめあがり ふくかぜたのし あきのこえ)