『鶏頭の 仏前にあり 他知らず』
(けいとうの ぶつぜんにあり ほかしらず)
『灯火親し 天眼鏡を 手離せず』
(とうかしたし てんがんきょうを てばなせず)
『またもある 萩散る前に 逢えずとも』
(またもある はぎちるまえに あえずとも)
『星月夜 近くて遠き 加賀の国』
(ほしづきよ ちかくてとおき かがのくに)
『堪えれども なお恋しかり 女郎花』
(たえれども なおこいしかり おみなえし)
『振り分けの 髪に差したる 彼岸花』
(ふりわけの かみにさしたる ひがんばな)
『秋桜は 夕暮れの風に 身を任せ』
(こすもすは ゆうぐれのかぜに みをまかせ)
『秋夕陽 西方浄土 また近し』
(あきゆうひ さいほうじょうど またちかし)
『雲の上 輝く陽あり 秋夕べ』
(くものうえ かがやくひあり あきゆうべ)
『萩の露 月は照るらし 風も吹く』
(はぎのつゆ つきはてるらし かぜもふく)