『寝て居りし 鹿を起こして 二月堂』
(ねておりし しかをおこして にがつどう)
『老いたるか 一休みせし 秋の蝶』
(おいたるか ひとやすみせし あきのちょう)
『秋の日や 何とはなしに 指を折る』
(あきのひや なんとはなしに ゆびをおる)
『祖父親 どちらに似たるや 吊るし柿』
(おおじおや どちらににたるや つるしかき)
『待ち遠し 菊と月との 酒の宴』
(まちどおし きくとつきとの さけのえん)
『赤とんぼ 地蔵の鼻で 小休止』
(あかとんぼ じぞうのはなで しょうきゅうし)
『雨だれの 音に起こされ 今朝の秋』
(あまだれの おとにおこされ けさのあき)
『過ぎたるは 秋の寝覚めや 今ひとつ』
(すぎたるは あきのねざめや いまひとつ)
『秋の朝 飾りし書に 陽の射して』
(あきのあさ かざりししょに ひのさして)
『長月や テレビ点ければ ホームラン』
(ながつきや てれびつければ ほーむらん)
『大安と 聞いて嬉しき 秋の朝』
(たいあんと きいてうれしき あきのあさ)
『赤とんぼ まっ赤赤と 嫁自慢』
(あかとんぼ まっかっかと よめじまん)