駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

CDが声を掛けてくれるようだ

2008年12月10日 | オールドミュージック
12月10日(水)
今日は水曜日でノー残業デーということもあり、定時に仕事を終えて帰途についた。
最近はこの景気後退のためか、仕事量も減少しており落ち着いているので、毎日何時間でも残業をやらないと仕事がたまる一方だった1~2ヶ月前の事情を思えばうそのように片付けができるようになってきた。
仕事場を出ると、外はそれほど寒いわけでもなく、コートを着て名古屋駅まで早歩きをすると、満員電車に乗り込むときには汗ばんで苦痛になることが分かっていたので、幾分ゆっくりと歩くことにした。
今日は水曜日なので、本来なら毎週のバンド練習のはずだったのだが、メンバーの都合が合わず練習は中止のため急いで帰る予定はないのだった。
しかし、この足が言う事を聞かない。
オレという人間は、ゆっくり歩くことが苦手なのだ。
ジョギングを長い間趣味としていたこともあって、ヒザや腰などの体調が悪くなければついつい目の前に歩いている人を追い抜きたくなってしまう。
結局、名古屋駅に着いたときには背中はすでにポカポカと汗ばんでいる状態だった。そのうち額にも汗が浮かんでくるのは分かっていた。
しかし、名古屋駅で目にした電光掲示板には、「どこやらの駅での人身事故の関係で大幅に電車が遅れています」というような内容の文字が。
そして、駅構内にあふれる人また人。
こんな状態で満員電車に乗れたとしても、コートを脱ぐことも汗をぬぐうことすらできないかもしれないと思い、改札口を通らずにJR高島屋に向かうことにした。

こんなふうに、仕事帰りに寄り道をするというのは、7月の転勤以来始めてのことだ。飲み屋は勿論、買い物のためにですら名古屋駅周辺のどこにも立ち寄ったことがなかった。
それは、仕事の残業をほぼ毎日やっていた関係で帰宅時間が9時半とか10時になってしまうため、寄り道をする余裕がなかっただけのことなんだけれど、改めてそう思うとなんという夢のない生活を5ヶ月間も送っていたなと感じるのだ。

このところ、行きたくて仕方がないのに全然行くところのできない所があって、それは何のこともない単なるCDショップなのだけれど、それが夢にまで見るほど行きたいところでもあるのだ。
先週末に探すことのできなかったロイ・ブキャナンの音源カセットを、大先輩の木原氏に郵送してもらってやっと聞くことができたんだけれど、CDがあれば欲しいなと思い、昔ながらのCDショップの探し歩きをしたかったのだ。
名古屋駅の高島屋の10階には、新星堂というけっこう大きなCDショップがあることを覚えていて、ここで探したらひょっとして見つかるかもしれないと言う希望があったのだ。
そこにはいろいろなコーナーがあって、「ロック」は勿論だが「ブルース」だったり「ルーツ・ロック」というコーナーなどもあって、古き良き時代の音楽を探すことができるのだ。
音楽に関してだけは、古き良き時代と言うのは確かに存在する。
これはあくまで聞き手の問題だが、自分が成長する過程で、音楽が強く印象付けられる時代に好きになった音楽というものは一生好きなままである。
だから、戦後の昭和歌謡しか聞かない爺ちゃんがいてもいいし、5~60年代のジャズやアメリカンポップスが大好きな人もいてもいいし、オレのように70年代のロックの洗脳が解けないオヤジもいるわけだし、90年代の小室ミュージックこそ青春だった人もいるわけだ。
そんなわけで、CDショップはまるで秘宝館のようにオレをドキドキさせて、オレを迷わせる場所である。
30分ほどキョロキョロウロウロとした挙句、結局ロイ・ブキャナンのCDは見つからなかった。
でも、あちこちの棚からオレに声をかけてくる粋なミュージシャンがいて、結局自分の今日の収穫は「デイブ・メイソン ライブ~情念」だった。
目にとまった瞬間、視線が絡み合って離れないのだ。
手に取った瞬間、もう買わずにいられないのである。
この名盤も聞いたことはあるのに、なぜか縁がなくて入手するのは初めてだ。
聞いたことがある記憶は多分、誰かにカセットテープに録音してもらったか、或いは昔流行った貸しレコード屋に足繁く通ってせっせと録音したからだと思うのだがその辺は定かではない。
実際にそんな名盤と呼ばれるLPはいくらでもあったが、今自分はレコードという物を1枚も持っていないしプレーヤーもない。
それにしても、そんな名盤のCDを手に入れると嬉しいものだ。
だからCDショップは楽しい。
しかも、昔のアルバムは安いからね。
2,000円でお釣りがくるのでなおさら嬉しいのだ。
また通っちゃうかもしれない。
きっと、その時もCDから声を掛けてくれるんだろう。
コメント (2)
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