駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

偉大なるドラマーに黙祷

2008年12月02日 | ドラム&パーカッション
12月2日(火)
今朝の新聞を読んで知りましたが、樋口宗孝氏の早過ぎる訃報にはやはりショックです。
3月の健康診断で肝臓ガンが発見され、それから全力で病気と戦われていたとのこと。ラウドネスの公式HPやドラムマガジンなどでも報告されており、一日も早い復帰を願って止まなかったのですが、たったの半年での訃報には残念でなりません。
折りしも、自分の母親の病気の治療に付き添い、ガン専門の病院に何度も足を運んでいる最中だけに、ガンという病名を目にすると異常に反応してしまう日々ですから、彼のようなスーパースターですらその病に勝てなかったという事実が身にこたえます。

樋口氏は、ニッポンのハードロックドラマーのパイオニアとして、海外でも名の知られた屈指の正統派ロッカーであることは言うまでもありません。
野球選手でいえば、野茂投手やイチローに匹敵するドラマーでした。

彼がレイジーのドラマーとしてデビューしたとき、“アイドルグループ”の皮をかぶった狼というような、一目見てわかるドラミング・センスと卓越したテクニックはすぐ話題になりました。
そして、アイドルグループの次は正統派ロックバンドで再登場するだろうなと思ったとおり、ラウドネスと言うネーミングからしていかにもロックしたスーパーバンドを自ら率いて、低迷するニッポンのロック・ミュージック界に殴り込みをかけました。
自分は追っかけのような熱烈なファンでもなく、たまにLPとかCDを買って聞いた程度ではありましたが、J-POPではない洋楽のHRを聞かせてくれる唯一無比のバンドでした。
彼が長期に渡り執筆しておられた、ドラムマガジン誌のハードロック・ドラミング講義の内容は、彼オリジナルのアイデアと独特の理論に満ち溢れ、読んでいて目からうろこの内容が満載でした。
実にストイックで生真面目で、ドラムに対しての真摯な姿勢が読んでいて良く分かり、新しいファンが次々と増えていったのも頷けます。

ニッポンの音楽界は、実に惜しいドラマーを失ってしまったと言えましょう。
しかしこの若さで天に召されることの無情さを思います。
神は、決して公平ではないのです。
自分の身内以外にも、次々と知人や友人のミュージシャンの訃報は聞きますし、それは時代の流れとして仕方はないことです。
周りの私達がその“死”に対して納得するかどうかは、神の問題ではないのでしょう。
自分も樋口氏とほぼ同世代でもあり、いつ、神の計画に加えられるか知れません。
その時、後悔しないようにどんな生き方をしていけばいいのであろうかと、今、新たに考え直す必要を感じる、そんな自分であります。
一人、静かに黙祷を捧げたいと思います。合掌。
コメント (4)
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