駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

復活ドラム(続編)

2006年02月26日 | ドラム&パーカッション
さて、ちょこっとチューニングしただけのYD9000Rだけど、もうすぐに気持ちよいサウンドで鳴ってくれました。勿論事前にまっちゃんがある程度閉めておいてくれたからに他ならないのですが、このドラムというのは本当にいい楽器で、チューニングしやすいんです。今回はタムのみで、BDのヘッドは寿命がきていないので交換していません。BDのヘッドはパワーストロークという最も厚いヘッドが装着されていて、しかもビーターの打点には補強パッドが貼り付けられて、余程のことがなければ破れることはないでしょう。
こういったお店のドラムセットのヘッドは、音色云々よりも長持ちするヘッドを選んだほうが、結局はお得なんですよね。
YD9000Rといえば、すぐにスティーブ・ガッドを思い出します。でもそれは、オレ達の世代がスティーブ・ガッドを特別に好きだからということもありますが、YD9000Rという楽器がスティーブ・ガッドとともに近代ドラムの歴史を刻んできたと言えるからではないかと思います。
あの黒いラッカーフィニッシュの浅胴のドラムセットに、どれだけの若いドラマーが憧れたことでしょう。当然ガッドのプレイはみんなが勉強し、コピーしたものですし、ドラムセットは売れに売れ、あのサウンドはドラムセットというハードと共に世界的なヒットでした。裕福なドラマーはみんなこぞって同じキットを揃えていたし、オレ達のように買えないビンボウ人は、同機種に触らせてもらえる機会があればいつまでも触っていたものでした。
値段については、高いとはいえ、ソナーのキットやDWやグレッチなどの世界の有名ブランドと比べたら半額ぐらいで買えるのだから、「いつかはオレも」みたいな気持ちをいつも持っていました。
スティーブ・ガッドは、タムのチューニングは緩めにして、10,12,13,14インチの口径差で音程を揃えていました。ヘッドはエバンスの厚い2枚重ねで高い倍音をミュートして、バーチ独特の甘い胴鳴りを生かした音作りをしていたなあ。
今でも、あの乾いた甘いドラムサウンドは大好きで、後に自分が欲しくって欲しくってたまらなくって買ったYAMAHAはバーチカスタム(9000Rではない)で~す。やっぱりバーチの甘い音がするので~す。関係ないけどラーメンはご飯で~す。
銀座ライオンのセットのタムは深胴仕様なので、昔のガッド的チューニングをするとロック向け音色になります。それはそれで結構なのですが、オレの好みは古臭いオールドミュージック仕様なので、結構タイトに締めます。すると高い倍音が耳につきますので、裏のヘッドで調節して、「まあこんなもんかなー」と思えるところで妥協します。YD9000Rは(特に深胴は)、完成された楽器ゆえにある程度決まった音色になってしまいます。それを好みの音色にするのは、多少の妥協が必要かな、なんて思うのです。
ついでにいつも思うことですが、ベテランの職人の仕事っぷりというのは、手際が良すぎてアバウトに見えますね。ちょこちょこっとあっという間に仕上げてしまうのでテキトウにやっているように見えます。でも、そこには長年培われてきた「仕事の勘」がしっかりとあるからなんですな。秤で図るより正確な勘が何十年の仕事で身に付いて、もう骨や肉の一部になっているんでしょうね。アバウトに見えるようになるまでの人生は、そりゃもう努力と失敗と挫折の日々だったんだろうと思います。プロドラマーでも、発展途上の時期は試行錯誤の連続で、例えば自分の椅子の高さや、スネアドラムの角度なんかはミリ単位でこだわったり、チュ-ニングもそうでしょう。
そういえばあのポンタさんも言ってましたが、ドラムヘッドとタムやスネアとの相性を確かめるために、何百種類の組み合わせを自分で繰り返し繰り返し試して、体で覚えたそうです。ものすごい時間と労力と、金をかけて自分のものにしたって。だからこそ、今の自信満々のポンタさんがいるんですね。
憧れますなー、職人技。自分もどちらかいうと寡黙な職人タイプなんで、何時間でも黙って自分の世界に没頭することが好きです。ドラムの修理や、チューニングに何時間もかけますし、苦になりません。実はドラムヘッドの相性テストも、自分で出来る限り試してみたことがあります。昔、金もないくせに数万円分のヘッドを買って、とっかえひっかえ試してみました。でも、違いなんてそう簡単に分かるものじゃなかったね。その場で結果が出るほど単純じゃなく、今でもその続きをやってるみたいなもんです。
何分、アコースティックドラムというのは生もので、日々違った顔をしますのでね。でも、おかげでずいぶんとチュ-ニングは楽に出来るようになりましたね。まあ、ドラムをいじくるようになって30数年ですからね。それでまだトーシロじゃあ、情けないってかー?
そういえば、昨日のライブで久々にスネアを変えました。ラディックのスチールから以前使ってた、パールのスチールに変えたんだけど、とっても良かった。ヘッドなんかはそのまんま東だったけど、ちょっとだけチューニングし直してみたら、全然良く鳴ってくれた。凄く不思議だけど、良くあることです。
今回、ですます調にしてみました。むふふ、どうだん?でもギャグが出辛いかなー?
コメント (5)
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