中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

16年度「心の病」労災認定最多

2017年07月04日 | 情報

今年も昨年の実績が発表されました。
マスコミのみなさんは、なぜ、こんなに労災認定件数がすくないのか、疑問を持たないのでしょうか?
これなら、ストレスチェックなんて、いらないじゃないですか。

・<過労の労災>「心の病から」過去最悪 理由はパワハラ   6/30(金) 毎日
・精神疾患の労災最多 16年度498人認定、長時間労働など   2017/7/1 日経
・16年度「心の病」労災認定最多   過労死、自殺も高止まり  17.6.30 共同
・精神疾患の労災、最多498人…20代が増加   2017年07月01日 読売
・過労で心の病、最多498人=昨年度、自殺・未遂は84人―若い世代増加・厚労省    6/30(金) 時事
・過労など「心の病」労災請求過去最多 28年度認定も最多、電通新入社員含む  6/30(金) 産経

「心の病」の労災認定、過去最多 20代の増加目立つ
7/1(土) 朝日

過労などが原因で「心の病」を患い、労災認定された人が2016年度は498人となり、2年ぶりに過去最多を更新した。
職場のパワハラが原因で認定されるケースの増加が目立つ。
体の病気による労災認定は、政府の「働き方改革」で残業時間の上限規制の適用を5年間猶予されることになった運送業が
突出して多く
、規制の強化を求める声が出ている。

厚生労働省が30日、16年度の「過労死等の労災補償状況」を公表した。労災は各地の労働基準監督署が認定する。
労働者の病気やけがが業務に起因するかどうかを、労働時間や勤務形態、仕事中に起きた出来事などから総合的に判断する。
うつ病など「心の病」を発症して労災を請求した人は1586人。4年連続で過去最多を更新した。

労災認定されたのは498人。14年度(497人)を上回り、こちらも最多となった。
原因別にみると、職場でのパワハラを含む「嫌がらせ、いじめ、暴行」が74件。生死に関わる病気やけが、
極度の長時間労働といった「特別な出来事」(67件)や「仕事内容・仕事量の変化」(63件)などの原因を上回り、
比較可能な11年度以降で初めて最多となった。
年代別では、20代の増加が目立つ。30代~50代が前年度より微減となる中、
20代は20人増えて107人となり、全体を押し上げた。
労災認定された人のうち、自殺や自殺未遂をしたのは84人。広告大手、電通の新入社員で
15年末に過労自殺した高橋まつりさん(当時24)も含まれる。
労災の請求件数や認定件数の増加について、厚労省の担当者は「(電通事件で)精神障害が労災対象になることが
周知されたことも要因の一つだ」
としている。
過労死問題に詳しい森岡孝二・関西大名誉教授は、パワハラが原因の労災が増えた背景について
「人手不足なのに業務量が増え、働き手にかかる負荷が高まる『高圧釜』状態の職場が多い。
人間関係がギスギスし、パワハラが生じやすくなっている」と分析。
20代の若者が即戦力として期待される傾向が強まり、職場で過度なプレッシャーにさらされているとも指摘し、
業務量を減らしたり、親身に相談・指導したりする配慮が職場に求められている」と話す。
体の病気による労災認定も増えた。くも膜下出血や心筋梗塞(こうそく)など「脳・心臓疾患」で
労災認定された人は前年度より9人多い260人。うち107人が過労死した。
職種別では「自動車運転従事者」が89人と、突出して多かった。うち29人が過労死した。
発症前2~6カ月の時間外労働が「過労死ライン」とされる1カ月あたり80時間を下回るケースでも
14人が労災認定され、うち9人が過労死した。
政府が3月にまとめた「働き方改革実行計画」は、残業時間の上限規制について、
運送業への規制適用を5年間猶予し、その後の上限規制も他業種より緩めるとした。
過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博弁護士は「例外規定が極めて危険であることが改めて実証された。
除外業種をつくらないことが重要だ」とのコメントを出した。

平成28年度「過労死等の労災補償状況」を公表(厚労省HPより転載)
平成29年6月30日
【照会先】労働基準局 補償課 職業病認定対策室

厚生労働省は30日、平成28年度の「過労死等(※1)の労災補償状況」を取りまとめましたので、公表します。
厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスなどが原因で発病した
精神障害の状況について、平成14年から、労災請求件数や、
「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数(※2)などを年1回、取りまとめています。
なお、今回は過去6年分の裁量労働制対象者に係る支給決定件数についても取りまとめました。
(※1)「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、
「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡
若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患
若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されています。
(※2)支給決定件数は、平成28年度中に「業務上」と認定した件数で、平成28年度以前に請求があったものを含みます。

【ポイント】
1  脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
(1) 請求件数は825件で、前年度比30件の増となった。
(2) 支給決定件数は260 件で前年度比9件の増となり、 うち死亡件数も前年度比11件増の107件であった。
(3) 業種別(大分類)では、請求件数は「運輸業,郵便業」212件、「卸売業,小売業」106件、
「製造業」101件の順で多く、支給決定件数は「運輸業,郵便業」97件、
「製造業」41件、「卸売業,小売業」29件の順に多い。
業種別(中分類)では、請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「運輸業,郵便業」のうち
「道路貨物運送業」145件、89件が最多。
(4) 職種別(大分類)では、請求件数は「輸送・機械運転従事者」187件、「販売従事者」97件、
「サービス職業従事者」93件の順で多く、支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」90件、
「専門的・技術的職業従事者」30件、「生産工程従事者」27件の順に多い。
職種別(中分類)では、請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「輸送・機械運転従事者」のうち
「自動車運転従事者」178件、89件が最多。 
(5) 年齢別では、請求件数は「50~59歳」266件、「40~49歳」239件、「60歳以上」220件の順で多く、
支給決定件数は「50~59歳」99件、「40~49歳」90件、「30~39歳」34件の順に多い。 
(6) 時間外労働時間別(1か月又は2~6か月における1か月平均)支給決定件数は、
「80時間以上~100時間未満」106件で最も多く、「100時間以上」の合計件数は128件であった。

2  精神障害に関する事案の労災補償状況
(1)請求件数は1,586件で前年度比71件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比1件減の198件であった。
(2)支給決定件数は498 件で前年度比26件の増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比9件減の84件であった。
(3)業種別( 大分類)では、請求件数は 「医療,福祉」302件、「製造業」279件、「卸売業,小売業」220件の順に多く、
支給決定件数は「製造業」91件、「医療,福祉」80件、「卸売業,小売業」57件の順に多い。
業種別(中分類)では、 請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の 「医療,福祉」のうち
「社会保険・社会福祉・介護事業」167件、46件が最多。
(4) 職種別(大分類)では、請求件数は 「専門的・技術的職業従事者」361件 、 「事務従事者」307件、
「販売従事者」220件の順に多く、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」115件、
「事務従事者」81件、「サービス職業従事者」64件の順に多い。
職種別(中分類)では 、請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」198件、
47件が最多。
(5) 年齢別では、請求件数は「40~49歳」542件、「30~39歳」408件、「50~59歳」295件、
支給決定件数は「40~49歳」144件、「30~39歳」136件、「20~29歳」107件の順に多い。
(6) 時間外労働時間別(1か月平均)支給決定件数は、「20時間未満」が84件で最も多く、
「160時間以上」が52件であった。 
(7) 出来事(※)別の支給決定件数は、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」74件、
「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」63件の順に多い。
※「出来事」とは精神障害の発病に関与したと考えられる事象の心理的負荷の強度を評価するために、
認定基準において、一定の事象を類型化したもの

3 裁量労働制対象者に係る支給決定件数
(1) 過去6年間で裁量労働制対象者に係る脳・心臓疾患の支給決定件数は22件で、
うち専門業務型裁量労働制対象者に係る支給決定が21件、企画業務型裁量労働制対象者に係る支給決定が1件であった。
(2) 過去6年間で裁量労働制対象者に係る精神障害の支給決定件数は39件で、
うち専門業務型裁量労働制対象者に係る支給決定が37件、企画業務型裁量労働制対象者に係る支給決定が2件であった。

PDF 別添資料2 精神障害の労災補償状況(PDF:653KB)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11402000-Roudoukijunkyokuroudouhoshoubu-Hoshouka/28_seishin.pdf

 

 


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