中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

安衛法ミニ知識①

2017年07月05日 | 情報

安衛法は、企業・事業場にとって、売上とは直接に関係しない法令ですので、
生産・販売・輸送等を管轄する法令に比べると、どうしても軽視されているのが現状でしょう。
しかし、最近の長時間労働や、ワークライフバランス、これに伴う安全配慮義務の履行などにより、
安衛法を遵守する重要性が高まっています。
以下は、安衛法の基本ではありませんが、企業・事業場が押さえておかなければならない、
いくつかのミニ知識を紹介します。

1.専属産業医が他の事業場の非専属の産業医を兼務する場合の事業場間の地理的関係について
(平成25.12.25付基安労発1225第1号)

専属産業医が他の事業場の非専属の産業医を兼務することについては、
産業医の職務の遂行に支障を生じない範囲内において行われることが必要であって、
具体的には、産業保健活動をそれら事業場で一体として行うことが効率的であること等の
一定の要件の下に認められていましたが、今般、当該要件の一つである、
専属産業医の所属する事業場と非専属事業場との、「地理的関係が密接であること」ついて、
当該2つの事業場間を徒歩又は公共の交通機関や自動車等の通常の交通手段により、
1
時間以内で移動できる場合も含まれるものとして取り扱うこととなりましたので、お知らせします。

参考:基発第214号「専属産業医が他の事業場の非専属の産業医を兼務することについて」
専属産業医が非専属事業場の産業医を兼務することができる場合は、以下のすべての要件に該当するものとする。

1.専属産業医の所属する事業場と非専属事業場とが、[1]地理的関係が密接である子こと、
[2]労働衛生に関する協議組織が設置されている等、労働衛生管理が相互に密接し関連して行われていること、
[3]労働の態様が類似していること等、一体として産業保健活動を行うことが効率的であること。
2.専属産業医か兼務する事業場の数、対象労働者数については、専属産業医としての趣旨を踏まえ、
その職務の遂行に支障を生じない範囲内とすること。
3.対象労働者の総数については、労働安全衛生規則第13条第1項第3号の規定に準じ、3千人を超えてはならないこと。
(当職註:3000人を超える事業場は、二人の産業医を選任しなければならないという意)

2.衛生委員会の委員数について(法18条、平成17.1.26基安計発第0126002号、昭和47.9.18基発第602号)
この件については、いろいろと議論されているようですが、労基署長経験者の先生に確認しました。
結論は、委員長、会社側2名、労働者側2名の計5名が、最低限で必要な人数です。
委員長は、総括安全衛生管理者または、当該事業場で事業の実施を統括管理する者、
またはこれに準ずる者のなかから、事業者が指定。
会社側は、衛生管理者と産業医
労働者側は、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者(当職註:実務的には、
労組またはこれに準ずる組織が推薦したものを事業者が承認)
なお、委員の半数は、労組等の推薦に基づき指名されるが、「半数」とは、半数以上であれば可とされている。


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