休職・復職Q&Aに関連する事項ですので、以下に解説します。
もっとも異なることをあげれば、主治医は「診療行為を行います」が、産業医は「診療行為を行わない」ということです。
従って、主治医は「診察」ですし、産業医は「面談」です。主治医は「診断書」ですし、産業医は「意見書」です。
活動の対象は、主治医が「受診者=患者」で、産業医が契約事業所の従業員です。
ですから、主治医は「受診者=患者が健康で生活できる」、産業医は「従業員が健康で働くことができる」を前提にして対処します。
根拠規程は、主治医は「医師法」、産業医は「労働安全衛生法」です。
資格は、主治医が「医師免許」取得者、産業医は医師等で、産業医研修修了者
契約相手、つまり費用の支払いは、主治医は「受診者:患者」、産業医は「企業・事業所」です。
事業主への勧告権は、主治医は「なし」、産業医は「あり」です。
産業医の職務(労働安全衛生規則第14条第1項)です。
①健康診断の実施、および結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること
②面接指導、必要な措置の実施、結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること
③心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施、面接指導の実施、
結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること
④作業環境の維持管理に関すること。
⑤作業の管理に関すること
⑥労働者の健康管理に関すること。
⑦健康教育、健康相談、その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること
⑧衛生教育に関すること
⑨労働者の健康障害の原因の調査および再発防止のための措置に関すること
〇産業医の職場巡視(労働安全衛生規則第15条)
産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、
直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
なお、平成29年6月1日労働安全衛生規則第15条の改正により、条件付きで毎月1回以上から2ヶ月に1回以上にすることも可能となりました。
〇加えて、大切なことがあります。
通常、従業員は、産業医の存在すら知らないことがあります。
従って、「なぜ、産業医がいるのか」「産業医の仕事はなにか」を、お名前、写真等とともに、事業場内に紹介してください。
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