心の健康、テックで維持 東大が日生など15社と連携講座
2022年6月8日 日経
東京大学はIT(情報技術)を使って心の健康状態を把握し、維持したり増進したりすることを目的にした連携講座を
日本生命など15社と立ち上げた。
共同研究を進めて、企業の従業員らの精神状態を測定し、人工知能(AI)で支援するサービスなどの実用化につなげる。
6月1日付で「デジタルメンタルヘルス講座」を設立した。期限は2025年5月末までの3年間。日本生命のほか、
中小企業や自治体向けにITシステムの販売を手掛ける富士通Japanなどが参加する。
システム系の企業のほか、精神的なケアを専門とする病院、関連サービスを提供する企業などが加わった。
東大からは3人の専門家が参加する。
AIやシミュレーション(模擬実験)で精神の健康状態を測定したり、将来の状態変化を予測したりする手法の開発などに取り組む。
社員の心の健康のサポートに使うサービスの効果を科学的に評価するための研究なども実施する。
将来、科学的な根拠に基づいて心の精神的な健康の維持に役立つサービスなどの開発につなげたい考えだ。
スマートウオッチやスマートフォンのアプリなどを活用して精神の健康状態の把握や増進をうたうサービスなどが数多く登場している。
ただ現状では科学的な検証の程度などにばらつきがある。
共同研究によって、心の健康の維持につながる信頼性の高いサービスの社会実装を目指す。
デジタルメンタルヘルス講座
https://dmh.m.u-tokyo.ac.jp/
2022年6月1日、東京大学大学院医学系研究科と民間企業15社は、
共同で社会連携講座「デジタルメンタルヘルス講座」(英文名Department of Digital Mental Health)を設置しました。
心の健康は、個々人および企業・組織、社会にとって重要な課題です。
特に新型コロナウィルス感染症の世界的な流行下(コロナ禍)では、心の健康問題が大きな公衆衛生上の課題となりました。
ポストコロナ社会においては、労働者や地域住民の心の健康をインターネットなどのデジタルツールで支えてゆくための
「デジタルメンタルヘルス」の技術の開発が重要になります。
この社会連携講座では、デジタル技術を応用して精神健康を測定し、それを保持・増進する介入プログラムを提供する
「デジタルメンタルヘルス」技術と、これを用いたサービスについて基礎および応用研究を実施し、
人々の心の健康の向上に役立つ研究成果を発信することを通じて社会に貢献します。
また、デジタル社会、Society 5.0社会における心の健康についても幅広く研究します。
「デジタルメンタルヘルス講座」設置記念オンラインイベント
イベント名 「デジタルメンタルヘルス講座」
設置記念オンラインイベント
日時 2022年7月5日(火)13:00-14:45
開催方法 zoomによるオンライン開催(定員1000名)
参加者 デジタルメンタルヘルスの研究や活用に関心のある方。
企業の人事労務担当者、産業保健スタッフ、大学など研究機関の研究者や学生など、
どなたでも自由に参加できます。
費用 無料
https://dmh.m.u-tokyo.ac.jp/archives/106