中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

テレワーク下のメンタルヘルス対策

2022年07月18日 | 情報

新型コロナウイルスの感染(第7波)が急拡大です。再度、テレワーク対策の見直しをしてください。

〇テレワークのデメリット(テレワーク経験者)7頁

「第4回 新型コロナ感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(内閣府・令和3.11.1)より

https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result4_covid.pdf

・社内での気軽な相談・報告が困難  36.1%
・画面を通じた情報のみによるコミュニケーション不足やストレス   30.3%
・取引先等とのやりとりが困難  25.6%
・テレビ通話の質の限界  23.0%
・セキュリティ面の不安  20.7%
・在宅では仕事に集中することが難しい住環境  16.3%
・仕事と生活の境界が曖昧になることによる働き過ぎ  15.7%
・大勢で一堂に会することができない   15.5%
・通信費の自己負担が発生   14.1%
・同居する家族への配慮が必要   12.0%

〇テレワークにおけるメンタルヘルス対策の手引(厚労省、2022年3月)

https://www.mhlw.go.jp/content/000917259.pdf

(2)テレワーク下における職場のストレス要因に対応した取組
①コミュニケーション活性化
コミュニケーション不足の問題に対して、次のような取組を通じて、コミュニケーション活性化を図っている事例があります。
・チャットやオンライン会議システム等の積極的な活用
・コミュニケーションをとる機会の定例化(上司・部下の定例会議等)
・業務以外の場での交流の機会の設置 等

②作業環境の整備
・自宅等でテレワークを行う場合、事務所衛生基準規則や労働安全衛生規則の衛生基準と同等の作業環境となるよう、
労働者に教育・助言等を行うこと等を通じて、作業環境を整えることが重要です。
・労働者の中には、自宅等の環境や家庭の状況により、自宅等での作業が困難な場合があります。
・サテライトオフィスの利用等、自宅以外での作業場所を用意することも有用です。
作業環境を整えるために必要な費用を企業が一部もしくは全部負担する等、労働者の経済的な負担の軽減を図っている事例があります。

③適切な労務管理
・予めテレワークの場合における労働時間の管理を明確化しておき、労働者が安心してテレワークを行うことができるようにするとともに、
労務管理や業務管理を的確に行うことができるようにすることが望まれます。
・テレワークの場合、普段よりもお互いの働き方が見えにくいため、ツールを有効に活用することで、
労働時間の見える化等の取組を進めたり、上司による労働時間管理や業務管理をサポートしたりしている企業があります。

④ツールの活用支援
・労働者の中には、ICTがうまく活用できず、テレワーク自体がストレスとなる場合もあります。
テレワーク導入の際、業務内容の見直しやテレワークを利用できる労働者の範囲をきちんと整理することで、
この問題に対処できることがあります。
・ツールの活用方法について研修を行うなどして、円滑なテレワークの実施をサポートしている事例があります。

⑤ハラスメント対策
・テレワーク下においても、ハラスメントの防止のための取組が必要であり、
労働者を対象とした周知啓発や相談窓口の設置・周知等の取組が求められます。
・テレワーク導入時に全労働者を対象として、テレワーク時におけるハラスメント対策の研修を行った事例があります。

⑥処遇や評価に対する不公平感への対応
・テレワークを実施できる労働者とそうでない労働者の処遇や評価について、不公平感が生じないよう、
予め、上司が部下に求める内容や水準等を具体的に示す、評価対象期間中にはその達成状況について共通の認識を
持つための機会を柔軟に設ける等の取組が望まれます。

(職場以外)
⑦家庭・家族の理解・協力の呼びかけ
・特に自宅でテレワークを実施する場合、家庭での理解・協力も重要となります。
・企業の中には、テレワークにおける働き方の特徴や注意点を労働者本人だけでなく家族にも伝え、
理解・協力を呼び掛けている事例があります。

⑧ワーク・ライフ・バランスの確保
・テレワークでは仕事やプライベートの区別がつきづらいといった声が聞かれます。
こうした問題について、上記③の取組のほか、定時にチームによるオンライン会議を設けるなどして、
仕事の区切りをつけやすくする等の工夫をしている事例があります。

⑨生活リズムや運動・食事等の生活習慣に関する情報発信・研修
・自宅等でのテレワークにより働き方が変わることで、運動不足等により生活習慣が乱れる場合があります。
こうした問題に対して、各種情報発信や研修を通じて、セルフケアが適切に行われるよう啓発している事例があります。
また、特定の時間に労働者参加型で運動を行う時間を設ける等の取組を行っている事例もあります。

 

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