中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

話すチカラ

2013年05月24日 | 情報
話すチカラ、コミュニケーション能力は、やはり毎日の積み重ねが大切です。
毎日の無意識の、「何気ない」訓練のたまものです。
もっとも、ディベートの訓練をしている人以外は、ほとんどの人は「訓練」しているという意識はないでしょうが。

日本人なら自然に日本語を身に着けます、中国人なら自然に中国語を身に着けます、アメリカ人なら自然に米語(英語)を身に着けます。
日本人ならば、生まれてから日常的に日本語を話しているのですから、
何も厳しい練習をしなければ、日本語の会話能力を会得できないわけではありません。
当たり前のことを申し上げているだけなのですが。
ところが、若い人たちは、小さいころからコンビニと、ケータイ、スマホと、PCですから
「話すチカラ」を養う必要性を感じていないのでは、と想像してしまいます。
会話の技術を「研ぎ澄ます」必要はないのでしょうね。
その結果、必然的に会話能力が身に付きませんので、当然に、自分の意思、考えを相手に伝える能力が身に付きませんし、
さらに、相手が話す言葉の真意を汲み取る能力も養うことができません。

会話能力が身についていない、あるいは著しく低いのですから、上司との会話にも自信がないので、
自分から積極的にコミュニケートしようとする意思が起きないのですね。
上司から見れば、コミュニケーションがなければ、「あいつはなんだ、何者だ」という思いが、ふつふつとわきあがってきます。
このようにして、上司や管理職と、部下や後輩との意思疎通がうまく行かなくなれば、結果は簡単に想像できますよね。

数日前に、NHKの番組を見ていたら、あるエアラインの整備部門では、専門別のグループごとに昼食を一緒にとることを
習慣にしているとのことでした。弁当でも社食でもよいのですが、食事をしながらコミュニケーションをとることにより、
グループとしての一体感を醸成できますし、整備部門として最も大切なミスの極小化を図ることが可能になるとのことでした。

繰り返しになりますが、「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002qx6t.htmlによると、
パワーハラスメントが発生する職場の特長として、
「上司部下のコミュニケーションが少ない」が51.1%で、2位の「様々な立場の従業員がいる」21.9%を圧倒的に
引き離して、ダントツの1位となっています。

繰り返しになりますが、「話すチカラ」は「難しい技術」でありません。
事業所内では、朝のあいさつからはじめましょう。
そして、日常的な会話を増やすことが、明るい、楽しい職場をつくることになるのだと体感しましょう。
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