中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

コミュニケーションが大切、いや必須です

2013年05月13日 | 情報
例えばの話です。
大都市のIT関係企業に勤める、プログラマーのAさん。20歳代後半で独身、独り暮らしです。
まあ、典型的な今日的若者です。彼のある1日を追います。

朝7:30、目覚まし時計に起こされます。着替えをして最寄駅に向かいます。途中のコンビニでパンとカフェオレを買い、
イートインコーナーで朝食です。パンをかじりながら、スマホでメールとニュースのチェックです。
9:00出社、パソコンを立ち上げ、出社の確認、ついでに、上司にメールで朝のあいさつです。

午前中は、仕事関係のメールチェックと返信、進行中のプログラムの仕上げ作業です。
当然にフレックスですから、昼休みは、会社の1階にあるコンビニで、弁当とお茶を買い、ビルのテラスで一人昼食です。
午後も、午前の作業を引き続きします。途中、トイレで一息、メールのチェックです。
作業の進行が、やや遅れ気味なので、19:00まで残業して退社です。

帰りは、コンビニで、雑誌とおにぎりを買います。ついでに本の立ち読みを30分くらい。
精算もナナコのようなカードですから会話はありません。「ありがとうございました」と言われても、うなずきだけですので。
家に帰って、シャワーを浴び、冷蔵庫の冷凍食品を解凍して、独りで夕食です。スマホでゲームをしながら、メールを3本入力。
眠くなったので、深夜1:30、就寝です。

どうです、お気づきになりましたか。会話がまったく、ありませんね。
コンビニと、スマホと、PCですから会話の必要がないのですね。
以前にも紹介しましたが、「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002qx6t.htmlによると、
パワーハラスメントが発生する職場の特長として、
「上司部下のコミュニケーションが少ない」が51.1%で、2位の「様々な立場の従業員がいる」21.9%を圧倒的に
引き離して、ダントツの1位となっています。
身近にデータが見つかりませんでしたが、MH問題でもまったく同様と考えています。

認知行動療法の第一人者である、大野裕(国立精神・神経医療研究センター所長)先生も、
「新入社員は、まず挨拶と笑顔から」と強調されてます(日経夕刊、4月12日)。
コメント
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