中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

試し出勤制度

2012年01月08日 | 情報
拙著、「中小企業の『うつ病』対策」で、最もチカラを入れたのは
試し出勤制度です。出版することを意識した第一の理由でもあります。

拙著執筆中に、ある公的機関が主催した1000人規模のメンタルヘルスセミナーで、
事前アンケート結果の紹介がありました。
それによると、企業・団体の人事労務担当等の参加者からの質問が
最も多かったのは、「試し出勤制度」だそうです。
しかし、セミナー内で、弁護士の先生から、「試し出勤制度」の
問題点・課題の指摘はありましたが、
主催者からはアンケート結果の紹介だけで終わってしまい、
参加者にとっては消化不良のような結果に終わったのではないかと推測しました。

試し出勤制度は、類書にも記述がほとんどありません。
あっても、中途半端で参考程度にしかなりません。
なぜなら、制度設計上、法律のほかクリアしなければならないハードルがたくさんあるからです。

厚労省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」にも
詳細な(現場で役立つ)記述はありません。
新聞報道(08.5.27読売)によれば、厚労省は、今後も試し出勤制度の
具体的な対策・手引き等を発表しないとのことです。

しかし、中程度以上のうつ病罹患者等が職場復帰をする場合、
わが国の労働環境を考慮すると、どうしても試し出勤制度が必要と考えています。

試し出勤制度を導入・規定したい場合は、拙著を参考にしてください。
もちろん、明確な理由があって試し出勤制度を導入していない企業も多くあります。
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