◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「フェリチンが足りない状態を隠れ貧血」って?

2017-03-05 11:04:30 | 言葉についてあれこれ
                                  それはエリツィン

 「フェリチンが足りない状態を隠れ貧血」は「その原因Xにあり!」で見たテロップですが、「状態を」ではなく「状態が」でしょ! 「を」なら「フェリチンが足りない状態を隠れ貧血と言う」まで書かないとだめだよ~と思ったのですが、録画していたので再度見て確認したら、話し手は「フェリチンが極端に足りなくなってきた状態が隠れ貧血」と、ちゃんと「状態が」と言っていました。
 ということは、テロップ入力作業者が勝手に「状態を」と書いた? なぜ? ずっと前から、フェリチン「が」足りない状態「が」というように、同じ助詞が続くのをテロップ入力作業者は単純に嫌っている、そういう傾向があると感じていましたが、それで何だかおかしなことになるなら本末転倒ですからね。
 「『死んでほしい』と発言で騒然」は「gooいまトピ ランキング」の見出し(2017/1/8 20:48)で、本文は「8日、フジテレビ系『ワイドナショー』内でスピードワゴン小沢一敬がダウンタウン松本人志に『死んでほしい』と発言し、騒然とした空気に包まれた」でした。なのに、なぜ「『死んでほしい』と発言して騒然」と書けない?
 「白熱ライブ ビビット」では、「北日本中心に冬の嵐」というナレーションが流れ、「北日本を中心“冬の嵐”」というテロップが出ました。何だか頭の中が「?」だらけになりましたが、「北日本を中心に冬の嵐」というナレーション、「北日本中心に冬の嵐」というテロップ、こうなるのが自然ですよねぇ。
 「山梨県に大雪注意報が発表」は「gooマイニュース 注目」の見出し(2017.1.8)で、クリックして本文を見たら、そこにあった見出しは「山梨県に大雪注意報発表」でした。ということは、余計な「が」を入れたのはgooのスタッフですね。「大雪注意報発表」と書くか、「大雪注意報が発表された」と書くか、ですよ。
 「今年の漢字が発表」は「池上彰の2016年重大ニュース」で聞いたナレーションですが、不思議ですね、テロップではなくナレーションですよ、ナレーションなのですから「今年の漢字が発表された」と言うでしょ、普通・・・<( ̄д ̄)>。「今年の漢字が発表」のような変な日本語が放送業界の“普通”になりつつありますが、すご~く変ですよ、これに慣れてはいけません。
 さて、ここからは北陸放送の「レオスタ」特集です。「女性が複数回刺され殺害」というテロップ、こんなこと書いて、レッチーも、こんなもの出して、よくまぁ平気でいられるものですね、あきれます。女性が何度も刺されて亡くなった、女性が殺害された、女性を刺して殺害した犯人・・・、「女性が複数回刺され殺害」だとみんなごっちゃになってしまいますが、一体誰が書いたのでしょうかね( ̄д ̄)?
 「女性が複数回刺され殺害」の「殺害」を「殺害された」と読めというのが無理なんですってば! 「大雪注意報が発表」と同じパターンですが、段違いにおかしいですよ。「殺害」で終わるのなら「女性を複数回刺し殺害」であり、それは犯人が主語になる書き方です。被害者が主語で、「女性が」で始めるのなら、「女性が複数回刺され死亡」です。こんなことも分からなくて報道ですか?
 「明日話があると継げ電話を切る」も、「枝に付いているのは春を待つ木」も、「レオスタ」のテロップ。見れば誰でもすぐに変だと気づくレベルの誤りですが、こんなものを平気で出すなんて、たるんでいます( ̄д ̄)! 「継げ」は単純な誤字で、「明日話があると告げ電話を切る」です。「枝に付いているのは春を待つ木」は、もちろん「枝」に「木」ではなく、「木」に「枝」でもなく、アナウンサーは「枝に付いているのは春を待つ木蓮の芽」と言ったのですよ。
 「こんなときに冷静に」も「レオスタ」のテロップです。この後に続く言葉を想像してみてください。「こんなときに冷静に仕事してるなんて、ただ者じゃない!」とか、「こんなときに冷静にって、無理でしょ!?」とか、ですかね。でも、このときに出すべきだったテロップは「こんなときこそ冷静に」だったのですからね、全く違うでしょう? ちゃんと日本語をしゃべれますか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする